2025年初には出版流通の要である取次会社の大手1社がコンビニから撤退したり、今では地元に書店や図書館のない自治体も多数発生していたりと、業界制度が金属疲労を起こし、読者が書籍に触れる場所は減っています。
このように、業界を暗いニュースが覆う中、それでも作家を目指すのなら、生き残る=売れ続けるべく、作家自身が必死に考え抜かなければなりません。
数打ちゃ当たる作戦で
新人作家が大量にデビュー
出版業界が危険水域に足を突っ込んでいることが、逆説的に、作家の増加に繋がっています。
とにかく売れるコンテンツに飢えている出版社は、まさに数打ちゃ当たる作戦で、多くの書籍を刊行します。新人賞の数や、なろう系(編集部注/小説投稿サイト「小説家になろう」で発表する書き手)から声がかかることが増え、作家デビューする人は増えています。
委託販売制度(編集部注/商品の所有権は出版社が持ったまま、販売を店舗に任せる販売方式)も影響しています。出版社には、委託時にキャッシュが入り、返品時にキャッシュが出ていきます。返品でキャッシュを失う前に、次の本を出してキャッシュを手に入れるという、自転車操業状態の出版社も多数存在します。
出版社は、数を打ち、当たったものを伸ばします。弾のどれかが当たればいいとは、ショットガンのようです。売れたものを伸ばす陰で、売れなかったもののフォローはありません。売れないものの次を出す経済的余裕もないですから。
ちなみに、ショットガンとなった背景は出版不況以外にも考えられます。娯楽や消費者の興味が多様化し、ヒットの法則が昔ほど自明ではないのではないでしょうか。消費者が何を好むか出してみないとわからないのだと思います。
作家自身も経営感覚を
持たないといけない時代に
出版社が相手にする作家が増えているということは、当然、編集者が担当する作家の数も増えています。1人で50人を担当することもザラにあります。会社目線では、売れないものを出す余裕がないのですが、編集者目線では、作家を育てる余裕もありません。編集者に求められているのは、一方で無数に出しつつ、一方で当たったものを続けて、少しでも確率を上げることです。







