私たちが「人生でスマホを見る時間」は、平均で14年以上。
そんな衝撃的な事実に向き合い、「時間が溶けていく毎日」から抜け出す方法を示した1冊が『脱スマホ術』です。著者・戸田大介さんは、500万ダウンロード突破の国内No.1集中アプリの開発者。開発者だからこそ気付ける、スマホ時間の価値と、それを有効活用するための方法とは?

毎日スマホを見る代わりに最低賃金でバイトすれば、1億5000万円かせげるPhoto: Adobe Stock

一生のスマホ時間は14年

 人がスマホを見る時間はたいてい、自分で思っているよりもかなり長く、(控えめな数値でも)平均的な人でも1日で5時間以上あります。

 これを一生分で計算すると、14年以上になります。

 私たちがこんなに多くの時間を失っているのは偶然ではなく、SNSや動画アプリの開発会社が、ユーザーひとりひとりの時間をできるだけ多くゲットしようと、信じられないほどの工夫を凝らした結果です。

 なぜ彼らが世界中から優秀な人々を雇ってまで、私たちユーザーの時間を必死に獲得しようとするかというと、私たちの時間には、それだけの価値があるからです。

 ここではわかりやすいように、14年という時間にどれだけの価値があるかを、お金に換算してみます。(もちろん「価値 = お金」ではありませんが、一例として)

スマホを見る代わりに、最低賃金ではたらいたら

 私たちは毎日5時間スマホをみたら、一生で14年以上(12万5925時間*)スマホに費やします。

*15歳でスマホを持ち、そこから平均寿命まで69年間生きたとして計算。

 その時間をそっくりそのまま、仕事に充てたらどうなるでしょうか。

 つまり、スマホを見る代わりに毎日5時間はたらいたら、一生でどれくらいの給料を受け取れるのでしょうか。

 東京の最低賃金が1226円だそうなので、そのアルバイトを12万5925時間したとすると――1億5438万円。

 毎日のスマホ時間をはたらく時間に変えたら、それだけで1.5億円になります。

 単純計算ですが、なんとなくすごいですね!

コールセンターなら、半分のスマホ時間で1億円

 しかし一生、まったくスマホを見ないで仕事をするなんてことは、現実的ではありません。

 そこでほんのすこしだけ現実に寄せて、こんな条件を考えてみます。

 ・ コールセンターではたらく(平均時給:約1700円)
 ・ 一生のスマホ時間の半分(6万2962時間)を、はたらく時間に充てる

 すると、
 1700円 × 6万2962時間 = およそ1.07億円

 コールセンターではたらいたとしたら、一生のスマホ時間の半分だけで、1億円以上の給料になるようです。

 やはり単純計算ですが、なんとなくすごい気がしますね!

「スマホ時間を減らす方法」はふつうにある

 こんなふうに、私たちがスマホで日々なんとなく失っている時間には、思っている以上に大きな価値があるのかもしれません。

 もちろん、ひとりひとりの貴重な時間の価値は、お金だけではありません。

 たとえばその時間で、自分のやりたい活動をはじめてみたり、長年の念願をかなえるために机に向かったりもできます。

 そしてそれを実現するための、「スマホ時間を減らす方法」というものは既に見つかっています。

 これは理論ではなく、実際に「集中」というアプリで500万人以上の方が試してくださって、現実に効果があったものです。

 実際、スマホ時間を減らして机に向かい、日本でもっともむずかしい試験と言われる司法試験に合格されたような方も、本当にいらっしゃいます。

でもスマホは敵じゃない

 しかしこれは、「スマホを見てはいけない!」ということではありません。

 好きな動画を見たり、SNSで友だちと交流したりする楽しさや、仕事をよりよく進めるための便利さは、むしろあっていいはず。

 ポイントは、「また見すぎてしまった……」というような後悔にあると思います。

 後悔してしまえば、純粋に楽しむことすらうまくできません。

 そのような「つい見すぎて後悔してしまう時間」を、「ああ、今日もいい日だったなあ」と素直に思わせてくれるような時間に変える。

 毎日の後悔が、すなおな充実感に変わっていく。

 それがこの先、何十年も続いていく。

 そのために「スマホとのよい付き合い方」を築くことは、とても価値のあることに思えます。

 これを実現することは、決してむずかしいことではありません。

戸田大介(とだ・だいすけ)
山形県出身。新卒で電通アイソバー(現・電通デジタル)に入社。データアナリストとして勤務したのち、bondavi株式会社を創業。データと行動科学の知見をもとに、人の前向きな行動を引き出すアプリの開発に取りくむ。全アプリを広告なし・無償で提供し、ユーザー任意の寄付により運営している。『継続する技術』『集中』は国内有数のヒットとなり、累計ダウンロード数は1000万を超える。著書『脱スマホ術』『継続する技術』。