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「今日の組織社会は、まったく新しいことを学ぶべきことを求める。組織を目的意識と責任をもって利用することである。この責任とそこに伴う意思決定から逃げるならば、組織が主人となる。逆にこの責任を引き受けるならば、われわれが主人となる」(『断絶の時代』)
組織は教育のある人たちをして、知識を働かせ、収入を得る機会をもたらした。しかし、そこには意思決定の重荷が伴う。自分が何でありたいか、何になりたいかについて責任を負わされる。そのうえ自らの組織があるべきもの、なるべきものについても責任を負わされる。
ドラッカーは、組織が一人ひとりの人間に対し、位置と役割を与えることを当然のこととしなければならないと言う。同時に、組織をして自らの成長と貢献の機会とすることを当然のこととしなければならないと言う。
若者が人を道具と見なす傾向に抵抗していることは正しい。しかし、組織を責めることはできない。彼ら自身、組織をして自らの目的やニーズの役に立つものにすることを考えていない。組織社会を自由な社会にするには、一人ひとりの人間が自らの責任および組織の責任として、社会への貢献の責任を認めなければならない。
「人生から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを知るようになったとき、ようやく成熟したといえる。組織から何を得るかを問い、それが自らが投じたもの次第であることを知るようになったとき、人は自由になる」(『断絶の時代』)