若手を退職代行に追い込む上司が言いがちな〈悪気のないNGワード〉とは? Photo:PIXTA
入社して早々に退職代行を使う若手社員は、どんな心理状態なのでしょうか?採用面接や入社直後に職場で上司・先輩が気を付けたい言動について、事例を基に解説します。(特定社会保険労務士、大槻経営労務管理事務所 土井裕介)
入社初日やGW明け、現場配属直後の
退職も珍しくない時代に
「入社したばかりの社員について、退職代行から連絡が来ました……」
ほんの数年前なら信じられなかった言葉ですが、いまや珍しい話ではなくなりつつあります。4月に入社した新卒や若手社員が初日、または数日たったころ、あるいは5月の連休明けに研修を終えて現場配属された後に、退職代行サービスを使って会社を辞めてしまうケースです。
もちろん、新入社員の大半がすぐ辞めるわけではありません。ただ、本人が会社へ直接伝えることなく退職代行を通じて辞意を示すケースは、若手社員の早期離職を象徴する出来事のひとつになっています。企業は、「最近の若者は我慢が足りない」だけで片づけると、本質を見誤ります。
近年の若手応募者が
面接でやたら聞きたがる言葉
筆者は、企業の労務相談や人事制度の相談に関わる一方で、採用面接に携わることもあります。そこで感じるのは、若手応募者の質問が「ある特定の内容」へと集中していることです。面接の終盤、こんな質問を受けることがよくあります。
「御社で長く活躍している方は、入社後どのように成長されていますか?」
「入社後の教育体制や研修制度について教えてください」
「最初の1年で、どのような仕事を任されることが多いですか?」
こうした質問から見える、イマドキの若手の特徴。それは、「早く成長できるのか」「放置されないか」「相談できる人はいるのか」を念入りに事前確認しようとする傾向があると感じます。仕事に限らずネットでさまざまな情報を得られる今、「思っていたのと違った」を若い人は嫌う傾向があるようです。タイパやコスパへの意識も強い。成長できないと不安で仕方がない様子です。
一方の企業側は、「若手には〈まず〉現場を経験してもらう」「〈最初は〉雑用も含めて仕事の基本を覚えてもらう」といった考えがあると思います。もちろん、これ自体が間違っているわけではありません。
問題は、その意図が伝わっておらず、成長の道筋や時間軸が新入社員とズレていることです。こうしたズレは、入社して早々に表面化します。







