「最近の若者は叱られ慣れていないからだ」と片づけるのは簡単です。しかし、単純に甘やかされて育ったからではなく、現代はハラスメントやメンタルヘルスに関する情報にあふれていて、彼・彼女らは当たり前のようにそれらに触れてきました。そのため、理不尽な指導や威圧的なコミュニケーションに対して「これはおかしいのではないか」と思う感度が、中高年世代よりも圧倒的に高いのです。
企業側が「昔はこれくらい普通だった」と思っても、若手側は、そうは思いません。そして、社内に相談相手がいないままスマホで退職代行の口コミを見つけて、「よし、自分もこれを使って辞めよう」と考えるのも、自然な流れなのかもしれません。
なぜ若手は自分で辞意を伝えないのか
スマホで口コミを見た後の心理とは
企業側からすると、退職代行には違和感が残ります。「社会人なのだから、最後くらい直接話すべきではないか」――そう感じるのは当然です。
それでも本人が直接言えない背景には、引き止められることへの不安があります。「辞めたい」と言ったら怒られるのではないか。「せっかく採用したのに無責任だ」と責められるのではないか。そう考えると、退職の意思を伝える前から身構えてしまうようです。
しかも、入社して間もないと、そもそも社内に相談相手がいません。「誰に言えばいいのか分からない」「この違和感を言葉にできない」「でも、明日も出社するのはつらい」。この心理状態だと、退職代行は“逃げ”というより、“最後の連絡手段”として選ばれているようです。
企業は「辞めさせない」より
「ズレを早く見つける」ほうがいい
では、企業はどう備えるべきでしょうか。重要なのは、退職代行を使わせないように圧力をかけることではありません。むしろ、本人が相談しにくい状態をつくらないことです。
まず採用段階では、良い面だけを見せすぎないことです。面接時に、「私たちも○○さんがどのような人か知る機会としています。○○さんにとっても、私たちを判断していただく機会だと思っています。ギャップがないように、事実ベースでお伝えさせていただきますね」などと、求人者にマイナスかもしれない要素も事実ベースで伝えるようにしましょう。







