ウクライナには、実は切り札があった。つい昨秋の時点では、ロシアは戦場で着実に前進し、ウクライナの資金は底をつきかけ、ドナルド・トランプ米大統領はロシアに有利な条件での和平合意を迫っていた。だがその後、トランプ氏のイランに対する戦争が世界の構図を塗り替えた。ウクライナが4年間にわたり他の追随を許さない経験を積んできたドローン(無人機)戦が、中東全域でのイランの攻撃によって世界的な広がりを見せた。ウクライナはかつて「解決すべき問題」と見なされていたが、今や湾岸の君主国にとっても、欧州の隣国にとっても、そしてますます米軍にとっても、「求められる解決策」へと変貌を遂げた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はここ数カ月、繰り返し湾岸諸国を歴訪し、約200人の兵士を派遣して自国のドローン迎撃技術を披露するとともに、将来の投資や共同生産につながる協定の締結を進めている。こうした動きは、今年に入り欧州各地でウクライナのドローン製造工場が設立されたことや、欧州を中心とする西側諸国の軍隊の間でウクライナの技術革新の採用が広がっていることに続くものだ。
イラン戦争で一変、ウクライナが握る「切り札」
中東の泥沼がウクライナに予期せぬ命綱と新たな手札を与えた
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