「乳房の悪性新生物」(乳がん)は30代後半から増え始めて50代でピークを迎えています。「閉経期及びその他の閉経周辺期障害」(更年期障害)は40代から50代後半まで多く発症し、60代前半になるとゼロに近づきます。つまり、女性は就業人生の始めから定年に近づくころまで、何らかの、性に特有の病気を抱えやすいと言えます。
病気にかかわらず、何らかの体調不良を感じている人の割合も、女性は男性に比べて高いです。内閣府の「令和5年度男女の健康意識に関する調査」より、過去1カ月間で体の具合が悪い箇所(自覚症状)を男女別に見ると、女性でもっとも多いのは「肩こり・関節痛」(腰、膝、手足)で、40~50代だと4~5割が感じています。同年代の男性は3割前後なので、男女で10ポイント以上の差があります。
働く女性が確保しづらい
自分の健康のための時間
また、「だるい、疲れやすい、動悸・息切れ」も、女性の40~50代は3割を超えるのに対して、同年代の男性は約2割ですから、やはり10ポイント以上の差があります。その他の自覚症状も、概して女性のほうが、割合が高いという結果になりました。逆に、体調不良が「特にない」と回答した割合は男性のほうが高いことが分かりました。
就業期間を通じて体調不良を覚えやすい女性は、現状でどのように対応しているのでしょうか。実は、我慢している人が多いのです。同調査によると、「もっとも気になる症状に十分に対処できている」と回答した割合は、女性で43.5%でした(男性は45.5%)。男女差はそれほど目立たないものの、回答者の属性別に細かく見ると、ここでも男女役割分業の影響が浮かび上がってきました。
正規雇用の労働者で、かつ小学生以下の子と同居している人のうち、「十分に対処できていない」と回答した人にその理由を尋ねると、「仕事や家事・育児・介護で忙しく病院等に行く時間がない」が、女性では40%に上りました(男性は24.6%)。仕事が忙しいと、通院を後回しにしがちなのは男女共通だと思いますが、女性の場合は、さらに育児など家の仕事が上乗せされ、「自分の健康のための時間を、なかなか確保できない」といったところではないでしょうか。







