しっかり者の最年少!トメ役・原嶋凛が“看護の仕事”に触れて、まず驚いた「当たり前」〈風、薫る第46回〉

小野田さんが…

 人間だもの、涙があふれてしまったり、器用に話を合わせられなかったりもする。こういう体験がある視聴者は少なくないだろう。病院で朝ドラを見ている人は多いと聞くが、どんな気持ちで見ていることだろうか。

「疾風勁草」――「苦難や試練に直面したときこそその人の本当の強さや意志の固さがわかる」

 それが試されるときだ。

 ゆきは、一晩中、小野田に付き添う。そのとき、高音の鳥の声が外から聞こえている。

 昏々(こんこん)と眠り続ける小野田の手を握り、「ナイチンゲール女史のような看護婦になれるかしら」とつぶやくゆき。

 朝になり、小野田が目を開けた、と思ったら、握っていた手の力がふっと抜ける。

「ゆきさん」と今度はゆきだと認識する小野田。そして、そのまま娘に会えないまま息を引き取る。

 最後に、お世話になったゆきと認識し会話を交わせたのは、ゆきにとって救いであろう。

 小野田のベッドを片付けている看病婦が、脇に残った折り鶴を捨てようとする。トメがそれを捨てないでと取り返す。

 小野田は初登場した第43回で、ふざけて胸が苦しそうに振る舞って、ゆきたちを驚かせた。それから第45回では、亡くなったのか?と思わせて危篤ながら生きていた。そして3度目についに亡くなる。

 ドラマだから、視聴者がどうなるの?と気になる流れにするのは当然とはいえ、病人の話で、亡くなるまでをこうやって引っ張っていく脚本を書くのは胸が痛くなかっただろうか。できた本を読んだプロデューサーや演出家はどう思ったのだろうか。作り手の気持ちに思いを致す。

 引っ張って引っ張って、園部(野添義弘)や千佳子(仲間由紀恵)のように治って退院していくのだったらいいのだが。こう思う筆者は、病人の前で泣いたり、うまく合わせることができなかったりする、ゆきのようなタイプだ。

 取材で病気の話を専門家に聞きながら、自分の家族のことを重ねて泣いてしまったこともあるので、こと病気に関しては情緒に流されすぎかもしれない。いろんな人の意見を聞いてみたい。