「ベイカレクローン」は
なぜ人気なのか?

 結論からお伝えすると、ベイカレクローンが台頭している背景には「DX案件の需給ギャップ」がある。

 コロナ禍が収束し、いわゆる「DXブーム」はピーク時と比べると落ち着いているものの、「古い社内システム・業務プロセスをデジタル化したい」というニーズは依然として多い。

 こうした課題を抱える企業が、デジタル化に向けた戦略を立てるだけであれば、場合によっては社内だけで完結できる。

 戦略立案をコンサルに外注する場合は、アクセンチュアやボストン・コンサルティング・グループ、そして「ビッグ4(デロイト、PwC、KPMG、EY)」などが有力な選択肢となる。

 だが、描かれた戦略の「実行」に関しては、クライアント企業の現場社員だけでは人手不足である。昨今は大手企業ですら、現場でデジタル化を推進できる人材は限られている。一方で、アクセンチュアなどの大手に実装まで依頼すると莫大なコストがかかる。

 そのような状況下では、現場からは「超一流のコンサルじゃなくてもいいから、とにかく人が欲しい」という切実な声が聞こえてくる。

 少し前までは、本家ベイカレントがこのようなニーズに対応する例が多かった。しかし昨今は、単純な人材供給だけでは差別化が難しくなっていることから、ベイカレントが単価を上げ、上流(戦略立案)から下流(実行)までを一気通貫で担うビジネスにシフトしているという見方がある。

 そこで役立つのが、デジタル人材を人月単価で貸し出してくれる、ベイカレクローンのような新興コンサルなのである。

 具体名を挙げると、ベイカレクローンの代表例とされる急成長企業は「ライズ・コンサルティング・グループ」「ビジョン・コンサルティング」「ノースサンド」「Dirbato(ディルバート)」の4社だ。

 各社はいずれも「ワンプール制」や「完全分業制」を導入して成長を続けている。詳細は上図にまとめたが、ライズとノースサンドは東証グロースに上場。ディルバートは売上高が500億円を突破するなど成果を上げている。