株式投資では、「どの銘柄を選ぶか」以上に、「どのタイミングで売買するか」がリターンを大きく左右します。では、株で利益を出し続けている人たちは、どんなタイミングで売り買いを判断しているのでしょうか? 株のプロの考え方をクイズ形式で学べるとして、多くの個人投資家から支持を集めているのが『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、「チャートの節を使った売買判断のポイント」を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株で資産を増やす人と減らす人、「損失」への向き合い方が決定的に違うPhoto: Adobe Stock

不幸に遭遇したら、ただ損切りするだけ

「買った直後に悪材料が出て、株価が急落」

 株式投資をしていれば、誰もが一度は経験する出来事でしょう。しかし、このときの対応によって、その後のパフォーマンスには大きな差が生まれます。

 例えば、こんなケースです。チャートをご覧ください。

株で資産を増やす人と減らす人、「損失」への向き合い方が決定的に違う買った直後に急落。あなたならどうする?

 1,312円で株を購入した翌日、予想外の悪材料が発表されました。翌朝は売り気配で始まり、なかなか値が付きません。ようやく午前中に取引が成立したときには、株価は1,042円。わずか1日で20%以上の下落です。

 この場面で、あなたならどうするでしょうか。

「リバウンドするのを待って売ろう」「ここまで下がったならナンピンしよう」――こういった考えが頭をよぎるかもしれません。

 しかし窪田さんは、この局面では迷わず「成行売り」を選ぶべきだと言います。なぜなら、急落は強い売りシグナルだからです。特に機関投資家や大口投資家は、一度に大量の株を売却できません。悪材料が出た直後は、まだ売りの初動の可能性があります。

 多くの個人投資家は最初の下落局面で売れず、「もう少し待てば戻るかもしれない」と期待してしまいます。ところが気づけば含み損は30%、40%と拡大し、ますます売れなくなる。そんな苦い経験をした人も多いのではないでしょうか。

 窪田さんは、「株で勝つ人ほど、負けを小さく、勝ちを大きくすることを徹底している」と強調します。

 投資で成功する人は、すべての売買で勝とうとは考えません。負けるときは素早く負けを認める。そして、勝っている銘柄はできるだけ長く保有する。この積み重ねが、長期的なリターンの差につながるのです。

いつも損切りできない人は「逆指値・成行売り」注文も有効

「損切りが大切なのはわかっているけれど、実際にはなかなかできない」という人も多いでしょう。また、日中は仕事が忙しく、常に株価をチェックできない人も少なくありません。

 窪田さんは、「逆指値・成行売り注文」も有効だと本書で伝えています。

 逆指値・成行売り注文とは、あらかじめ設定した価格まで株価が下落したら、自動的に成行売り注文を出す仕組みです。自分で判断に迷うことなく、直ちに損切りを実行できます。

株で資産を増やす人と減らす人、「損失」への向き合い方が決定的に違う逆指値成行売り注文

 チャートを活用したトレードで大切なのは、大損しないことです。損失を一定範囲に抑えることができれば、次のチャンスに資金を回せます。