家族としては放っておくことはできないので、実家近くで暮らす兄2人が必要に応じて母の面倒は見ている。だが、日常の細々したことは娘の方がいいようで、なにかというと電話がかかってくる。そのため、月に2~3回、私は県をまたいで母に頼まれた用事を済ませに行っている。そして母とのやりとりで私を悩ませるのが、冒頭の元旦の出来事を巻き起こした爆買いグセだ。
母は、7年前に膝関節症の治療で人工関節置換術を受けた。おかげで膝の痛みはなくなり、今も杖をついて歩いている。だが、担当の医師からは「転ばないように。転んで骨折したら寝たきりになるよ」と受診のたびに注意されているらしい。
母は転ぶことを恐れて、近くのスーパーやコンビニにもひとりで行かなくなった。そのため、食料品や日用品などの購入は生活協同組合(生協)の宅配に頼っている。
生協の取扱商品は幅広く、安心・安全なものも多い。食料品を中心に、日用雑貨、衣料品など、暮らしに必要なもののほとんどを購入できる。しかも自宅まで運んでくれる。高齢者にはもってこいのシステムなのだが、我が家では「セーキョー」は親子喧嘩を巻き起こすキーワードになっている。
母の主な収入は老齢基礎年金(国民年金)で月5万円程度。足りない分は父が残した貯蓄を取り崩しながら暮らしている。すこぶる元気な母は長生きしそうだ。だからこそ、無駄な買い物は控えて、貯蓄の目減りを抑えてほしいと思っている。
ところが、母は毎週届けられるカタログを見て、欲しいものを片っ端から注文してしまうのだ。母の爆買いグセは、もともとの性格に加えて、高齢による認知機能の低下で家族が多かった頃の感覚が抜けだせないこともあると思う。
Photo:PIXTA
その結果、「これ、いったい何人分?」という分量の荷物が、毎週ドーンと届く。請求額は毎月10万円を超えており、ひとり暮らしの高齢者には多過ぎる金額だ。今は父が残した貯蓄があるけれど、このペースで爆買いを続けると、母の命より先に貯蓄の方が底をつきそうだ。







