昔は決まったものを決まった手順で仕上げるのが料理の基本でした。ベテラン主婦になると、「これを入れたらおいしくなるかも?」「今日はこんな感じで作ってみようかな」といろいろなアレンジもできたのでしょうが、素人にはそれはできませんでした。

 しかし、今ではテクノロジーの進歩により、知的好奇心を核にしながら、より一層興味・関心を深めていくことができるようになりました。

 ちなみに、新たな料理に挑戦して、もしも失敗したとしても、家族で食べればいいだけなので、チャレンジしやすい場ですよね。

料理は数字に強くなる
絶好のチャンス

 家事は学力の土台を築く、絶好の機会です。

 計量は算数的なものの見方につながりますし、調味料を混ぜ合わせることは理科につながります。また、産地を確認する中で社会の知識にもつながっていく。これらは、前述した知的好奇心にもつながり、学びの土台を育みます。

 こうした“体感値”があるかないかで、学校での学びの入り方は変わります。たとえば、500グラムの水が入ったポットなどを持ったことがないと、500グラムがどれくらいかわかりません。体感値がなければ、間違えて「500キログラム」と書いてしまうようなミスもありえます。

 大人だったら、そんなミスはしませんよね。それは大人が経験の中から実感を得ているからです。

「算数ができるようになってほしいから計算ドリルをする」

「国語の点数を伸ばしたいから、漢字の書き取りを繰り返す」

 こうした学びを否定はしませんが、非常に単線的だと思います。たとえば、スポーツ選手はサッカーがうまくなるために、走り込んだり体幹トレーニングをしたりストレッチをしたりします。ただただボールを蹴る練習をするだけでなく、体の筋力や柔軟性、瞬発力などさまざまな力を底上げするのです。

 私は学びにおいてもこの考え方が非常に重要だと思います。

 遠回りのように見えますが、料理をしたり洗濯をしたりする中で子どもの学びの土台は確実に育まれています。いわば、学びの筋トレです。