以前、ある大学のアメフト部の指導者の指示による悪質タックル問題が話題になりました。そのときに使われたのも、このサンクション的手法です。指示通りに動く選手を手厚く重用し、そうでない選手は「このままだと使わないよ」と不安に追い込み、「使ってほしいのであれば指示に従え」と圧力をかけます。
また周囲からも「指示に従っておいた方がいい」などの圧力がもたらされるようになることも特徴です。いつの間にか、大人側の思惑が集団内の規範そのものになっていく怖さがあります。
この手法はまた、芸能界の性加害問題などにも同じように見られる構図です。上位者が下位者を手なづけ、上位者の言う通りにすれば重宝がられ、そうでなければ「干される」という図式です。
「承認と制裁」をセットにした指導で
「脅威」を植え付ける
サンクションは非常に卑劣なやり方です。なぜなら、相手の主体性を奪い、無力化させ、人格を破壊する可能性があるからです。さらに言えば、集団内の立場の格差も生み出します。だからこそ、禁じ手(威力がありすぎるため禁止される行為)と捉えなければなりません。
ところが、この手法を学級経営に用いる教師や、学校経営に用いるマネジメント層がいます。
集団参加型の行事で「協力」「向上」などのスローガンを掲げたり、専門とする研究領域を用いて方向性を示したりしながら、組織・教室の上位者側が主導して目標を設定します。そして下位者(子どもや部下)に「本気でやる気があるかどうか」を問います。「本気でやる」と答えた人や、熱心に取り組む姿を示す人をとことんかわいがり、大切にするわけです。一方で、求めに応じない相手にはこんな言葉を投げかけ続けます。
▼君にはがっかりした
▼もういいよ、君は
▼あなたには期待していないから
▼もう君には関わらない
▼みんなの期待を裏切らないでね
▼みんなも頑張っているんだから、君ももう少し頑張ったら







