依存を避け、元のエネルギー量を保つ
ただし、ここで絶対に注意してほしいポイントがあります。それは、私のように喪失感を忘れるためにタスクをやりすぎないことです。辛いことがあると仕事に打ち込んで忘れようとする人がいますが、これは歯止めが効かなくなり、脳疲労が蓄積して本格的な病気につながる可能性があります。
目安として、「喪失が起きる前と後で、使うエネルギーや活動量を変えない」ようにしてください。
やることがなくなると寂しくなったり辛くなったりしますが、何かして忘れたいなら「寝る」くらいにとどめておきましょう。仕事に過剰に打ち込んだり、お酒やギャンブルに走ったりと、依存的なもので心の穴を埋めようとするのは絶対にやめてください。
感情の波を待ち、脳の回復力を信じる
ただ脇に置いて淡々と日々を過ごしていても、頭に余裕がある時(デフォルトモードネットワークの時など)は、嫌な感情の波がやってきます。「うわーっ」と感情が高ぶるピークがありますが、横に置いておけば次第に収まります。それを繰り返すうちに、だんだんと落ち着いている時間のほうが長くなっていくのです。
私たちの脳の「適応力」を信じて、無理強いせずに回復を待つしかありません。無理に忘れようとすると、かえって複雑な心の傷になってしまいます。
エネルギーがあるなら「脱感作(だつかんさ)」も一つの方法
もしエネルギーに余裕があるなら、「脱感作」という方法も考えられます。人間は同じ刺激を一定量加え続けられると、だんだん鈍感になっていく生き物
です。喪失感も同じで、最初は執着が強く、悲しさや悔しさがこみ上げますが、何度も同じ思いをしていると徐々に慣れてきます。
私の場合、衝動的にパートナーとの思い出の場所に何度も足を運びました。最初は行くたびに悲しい気分になっていましたが、30回、40回、100回と同じ場所へ行っていると、次第に何も感じなくなり、「もう行かなくてもいいや」と思えるようになりました。
これを「悲しいこと」と捉える人もいるかもしれませんが、私は執着が薄れ、今に目を向けられるようになる「良いこと」だと捉えています。
今に集中すること
何かを喪失せずに生きている人はいません。だからこそ、「こういうものだ」と理解し、ちゃんと回復するのだと知っておくことが大切です。
最後は誰もが自分自身を失うのですから、先の不安ばかりを考えても仕方がありません。今に集中し、今ある時間を楽しむこと。楽しむ気になれなくても、日々を淡々と過ごすこと。ご自身のペースで、ぼちぼちやっていってくださいね。




