「成果を上げられないとき、どう捉えていましたか?」
→応募者の答えは?

 採用部長の山田誠二さん(仮名)は、若い頃に理不尽なレッテル貼りで苦しんだ経験があった。そのため採用では、能力以上に「人の見方」を重視していた。

 面接の終盤。

 山田部長はこう質問した。

「成果を上げられないときに、自分の組織をどう捉えていましたか?」

 応募者はこう答えた。

「スタッフ一人一人のマインド、やる気の問題だと思います」

「個々にコミュニケーションをとって、言い聞かせることにしています」

「サービスに対する自覚を持つように指導しました」

「人って、なかなか変わらないものだし、苦労しました」

 山田部長は思わず質問した。

「仕組みや教育体制、マニュアル整備に問題はありませんでした?」

「業務の繁閑や指示命令の複線化などは考えられませんでした?」

 応募者は答えた。

「それより本人の意識の問題です」

「正直、部下次第なところはあります」

 山田部長の顔色が変わった。

 数日後、応募者の採用を見送った。

話もうまく、優秀そうでも
リーダーにしてはいけない人の特徴

「他責の全てが悪いわけではありません」

 不採用の理由を聞く社長に、山田部長はこう説明した。

「全てを自責とすると、本質を見誤る場合もあります。しかしながら、店舗内では、日常的に多くの課題が発生しますが、一般的に、原因は一つではなく多面的なはずです」

「彼のように、全てを部下であるスタッフ個人の資質や意識の問題に帰結させるのは共感できません。レッテル貼りであり、結果として、職場の真の問題解決を遠ざけることになると懸念しました」

 応募者が、成果を上げられない原因として、スタッフの問題点を挙げたこと自体を責めているわけではない。

 ただ、

「自分の成功は実力、失敗は運や環境のせい」

「他人の成功は運、失敗は能力や人柄のせい」

 と、考える人物を見抜くことは、自社の社員を守る上で重要だと、部長は考えた。