「考えすぎから解放された!」
「悩まない人に変わる画期的なメソッドだ!」
と話題になっているのが、『STOP OVERTHINKING ―― 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。ついにAmazon.comが15000レビューを突破。世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーには、不安から解放される「54321法」、「トヨタのカンバン方式によるストレス解消法」などが載っている。「極端な臆病者」というライター柴田賢三氏にコンパクトに深く読み解いてもらった。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【今もトラウマ】母親が楽しみにしていた外食先での「家族の会話」を台無しにした一言とは?Photo: Adobe Stock

田舎にあったグラタンの美味しい洋食屋

 子どもの頃、月イチ程度のペースで、家族で小さな洋食屋に行く習慣があった。

 母親のお気に入りの店で、グラタンの美味しい店だった。

 その日だけ、母はおめかしをして、父もジャケットを着て出かけていた。

 一般家庭には電子レンジもなかった昭和の時代。しかも、田舎にはファミレスもなく、グラタンを食べさせてくれるおしゃれな店など街に1軒しかなかった。

 私が運動会で1等をとった。お兄ちゃんが中間テストでいい成績だった。なにか理由をつけては母が嬉しそうに家族を誘ってくれた。

今でも心が痛む出来事

 当時、外食は贅沢で私も楽しみにしていたが、それも小学生まで。思春期に入ると、うかれた母が化粧をして洋食屋に行くことが恥ずかしく思えてきた。

 反抗期がマックスを迎えた頃、店でどうでもいいことを楽しそうに大声で話す母親にキレた。

「おかあ、うるさい! はしゃぐなや」

 あのときに見た母親の悲しそうな顔は、今でも忘れられない。父親に叱られ、おとなしい兄からも冷ややかな態度で突き放された。

 自分で引き起こしたことだが、50代になった今でも、たまにフラッシュバックして心が痛む。

 全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントンはこう述べている。

たとえば、過去に犯した失敗をいつまでも悔やんでいるなら、「私は本当にバカで間違ったことをした」と自分を責めてばかりいるのではなく、「当時の私は若く、失敗から学び、成長過程にあった」というストーリーによって「脱構築」できる。
――『STOP OVERTHINKING』(P. 92)

悩みやトラウマを整理するコツ

 ニックは、自分に起こっていることを「物語」として冷静に捉えることで悩みやトラウマを整理し、巨大で恐ろしい問題を小さくて簡単なものに分解(=脱構築)できると説いている。

 私は長年、母親を悲しませたレストランでの出来事を気に病んでいたが、「思春期にはよくあるストーリーだった」と思い直し、気持ちがラクになった。

 自分の娘が、まさに思春期に入るタイミングで、この一文に出会えてよかった。
 この先、私も母と同じ思いをすることが増えるだろうから。