いま、不安から解放される「54321法」、「カンバン方式」によるストレス解消法などによって「考えすぎから解放された!」と『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』が話題となっている。世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーはAmazon.comで15000レビューを超えた。今回はライターの柴田賢三氏に本書を読み解いてもらった。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

ひとり娘に関する夫の深い悩みに、ぐうの音も出ない妻の一言とはPhoto: Adobe Stock

中学生の娘に関する深い悩み

 ひとり娘の「爪を噛む」クセが治らず、悩んだ時期があった。

 私には、今年の春から中学生になった娘がいる。
 彼女が爪を噛んでいることに気づいたのは、小学校低学年の頃だった。

 子ども時代にはよくあるクセだからと思い、「爪にはたくさんバイ菌がいるから怖い病気になるよ」程度の注意を何度か与えていたが、まったく治らなかったのだ。

 それどころか、爪を深く噛みすぎて指先にうっすら出血が見られる状態になり、強く警告したことがある。

 娘から、私の誕生日のプレゼントに何が欲しいか聞かれたときだ。

「このままだと、本当に指からバイ菌が入って切断しなくちゃいけなくなるかもしれない。お父さんが欲しいプレゼントは、あなたの指がキレイな状態になることだ」

娘からの一通の手紙

 娘は、軽く動揺しながらも「わかった。もう爪は噛まないよ。お父さんの誕生日にはキレイな指になるから」と約束したが、私の誕生日が来ると書斎に一通の手紙があった。

 かわいいイラストつきのバースデー・カードで、こんな一文が添えられていた。

《おとうさんへ のばしていたつめをかんでしまいました もう1か月まってくれませんか》

 彼女のクセに気づいたとき、「そういえば自分も子どもの頃は爪を噛んでいたな。クセも遺伝するのか」と驚いたが、血が出るまで噛むほどひどくはなかったはずだ。

全世界150万部の教え

 全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントンはこう述べている。

考えすぎは遺伝的なものなのか? 答えはYESだ。ただし、それがすべてではない。遺伝以外の要因は74%もある。つまり、環境的要因のほうが大きい。
――『STOP OVERTHINKING』(P.28)

 爪を噛むという行動は、何らかのストレスを抱えている証拠だろう。
 学校でいじめに遭っているのではないか、自分たちの育て方に問題があるのではないか……。今度は、自分が爪を噛みたい衝動に駆られるほど、悩みはじめた。

 妻に相談すると、こう返された。

「その考え方がそっくりなのよね。彼女にも何らかのストレスはあるだろうし、要因を注意深く観察してあげることは重要だけど、子どもなんて無意識に爪ぐらい噛むよ。そんな小さなことを深刻に思い悩んでるあなたの思考回路が遺伝したのよ」

 ぐうの音も出なかった。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)