写真はイメージです Photo:PIXTA
「東京一極集中は悪いことだ」というのは、本当に常識なのだろうか。地方創生の柱として「東京一極集中の是正」が掲げられてきた一方で、経済学者の小峰隆夫氏は、人々がより良い仕事や暮らしを求めて移動した結果を政策で変えようとすることに疑問を呈する。経済学の視点から、「東京集中=悪」という通念を問い直す。※本稿は、経済学者の小峰隆夫『地域と人口減少の経済学 スマート・シュリンクという選択肢』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。
国策として進められる
東京一極集中是正の是非を問う
「東京一極集中是正」は、2014年以降進められてきた地方創生の重要な柱となっていた。
たとえば、「まち・ひと・しごと創生本部」が決定した「地方創生推進の基本方針」(2014年9月12日)では、「50年後に1億人程度の人口を維持するため「人口減少克服・地方創生」という構造的な課題に正面から取り組むとともに、それぞれの「地域の特性」に即した課題解決を図ることを目指」すとした上で、「若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現」「「東京一極集中」の歯止め」「地域の特性に即した地域課題の解決」という三つの基本的視点を挙げている。
国に言われなくても、多くの人はごく常識的な考えとして、「東京一極集中は是正すべきだ」と考えているだろう。だが、それは本当に当然のことなのだろうか。
私が、東京一極集中是正という考え方に批判的なのは、そもそも東京集中は人々の自由意思によって選択されたものである以上、その流れを政策的に是正することはかなり難しいと考えているからだ。
この点を理解してもらうために、経済学の観点から「足による投票」という考え方を紹介しよう。







