優良株が一時的に
下落している時は買いチャンス
ポイント1 配当利回り4%以上で、業績は安定
まず買うときの配当利回りは4%が目安。ただし、減配は避けたいため、同時に業績や配当性向もチェックする。1株利益(EPS)が右肩上がりか、横ばい傾向なら合格。また、配当性向*1が高すぎると将来の減配リスクがあるため、排除するようにしている。
*1 配当性向…利益のうち配当に回す率。
ポイント2 「増配」のサインを探る
配当カブさんは「増配」の恩恵を享受しながら、配当収入を増やしてきた。最も狙いたいのは、「増配する会社」だ。そのため、過去の増配傾向をチェック。また「累進配当」*2や「DOE」*3といった検索ワードを入れて有望な銘柄を探している。
*2 累進配当…減配はしないという配当政策
*3 DOE…自己資本に対して配当を出す比率。一時的に業績が悪化した時も配当が維持されやすい
ポイント3 年初来安値の銘柄から、一時的に売られた優良株を探す
配当利回りが高くなる理由は大きく二つある。「増配」があったか、「株価が下がった」かのいずれかだ。
中でも「株価が一時的に売られた優良株は狙い目」だという。普段は、優良株として株価が評価されており、配当利回りは2~3%しかないが、一時的な下落により配当利回りが4%を超えている銘柄だ。Yahoo!ファイナンスなどで、年初来安値を更新した銘柄を確認し、配当利回りが4%を超えていれば、さらに詳しく調べる。
ここで狙うのは、株価下落は一時的なもので、回復しそうな銘柄。具体的には、相場全体の下落、一時的な費用計上、材料出尽くし、関連会社の不祥事などが原因で下がっている銘柄だ。業績や財務に大きな問題がなければ、もとの株価に戻る可能性が大きく、ここが買いチャンスになる。
一方で、業績悪化や競争環境の変化など、構造的な不調があった場合は、買い対象にならない。
配当カブさんは、もともと5~6%の高利回りで放置されている銘柄は慎重に見ている。高利回りのまま株価が低迷している銘柄には、それなりの理由があることも多いからだ。
取得利回りを育てることが、
高配当株投資の醍醐味
配当カブさんの保有は約700銘柄にのぼる。「分散しているほうが精神的にラク」だからだ。そして、業績悪化や減配がない限り、利益確定を目的として売ることはない。長期保有を徹底する理由の裏には、過去の後悔もある。
以前、INPEXを保有していたが、エネルギー需要の回復で株価が大きく上昇したタイミングで、「さすがに上がりすぎではないか」と売却してしまった。ところが、その後に株価はさらに上昇し、増配もあった。「売らなければよかった」と強く後悔したという。
自分の高配当株投資の目的は、キャピタルゲインではない。配当を受け取り続けること、さらに将来の配当を増やしていくことだと再認識した。
重要なのは、配当収入というキャッシュフローを育てること。現在の日本は東証改革の影響もあり増配ブーム。取得時は配当利回り4%でも、その後に増配が続けば、買値に対する利回りは5%、6%と上がっていく。売らずに持ち続けるだけで、元本に対する配当収入がどんどん厚くなるのだ。
配当カブさんは、このサイクルに入ったことで、年間配当収入が1130万円にまでなった。
「配当金が年間500万~600万円になると、精神的な安心感が大きくなりました。いまは無理をして仕事を受けなくなり、条件が合わない案件は断れるようになりました」
配当カブさんにとって、高配当株投資は単なる資産形成ではない。労働収入とは異なる「もう一つの収入源」を持つことで、働き方の自由度が高まった。
毎年少しずつ配当を積み上げ、増配の恩恵を受けながら取得利回りを育てていけば、キャッシュフローは太くなる。高配当株投資の魅力は、安心感を育て、人生の選択肢を増やしてくれることにもつながっている。
本記事は2026年6月22日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。







