タイミーは2025年、物価高・値上げが長期化する昨今の状況を受けて、「タイミー」の働き手879名を対象にスキマバイトの活用状況を調査した。働き手879名のうち、物価高・値上げの影響で生活費補完等を目的にタイミーを活用したことがある人は68.1%だった。
さらに、その該当者583名への複数回答では「現在の収入だけでは生活費が足りず、給与以外の収入を得たかった」が74.8%に上った。
タイミー側は近年、スキマバイトを利用する人々について「本業を持つ人が他の仕事を経験することで本業にプラスになるようになっている」とか「リタイアしたシニア層がスキマバイトで社会参加を実感している」というようなポジティブイメージを訴求している。
しかし、やはり利用者の中には「経済的困窮」にある人もかなりの割合で存在しているのだ。
もちろん、そのような人々に金融サービスを提供することは悪いことではない。むしろ、支援の側面もある。
例えば、「現在の収入だけでは生活費が足りず、給与以外の収入を得たかった」とスキマバイトで働いている人が、事故、病気、冠婚葬祭などで急な出費が発生してしまった場合、家計が破綻してしまう。そこでタイミーフィナンシャルが融資をしてくれたら、スキマバイト利用者はピンチを乗り切ることができる。
その辺のネットやSNSでの広告に誘導されてカネを借りるよりも、スキマバイトで世話になっているタイミーで借りたほうがはるかに安心だ。
ただ、物事にはなんでも良い面があれば悪い面もある。
タイミー利用者に対して貸付サービスを積極的に売り込んでいくことになれば、彼らの「貧困」を固定化させて“見えない鎖”で繋いでしまうことにもなりうる。
ただでさえ生活費が足りないとスキマバイトに精を出している人が借金をすれば、利子返済もオンされるので、これまで以上に生活費が足りなくなるのは自明の理だ。
では、この人はどうするのか。本業の収入を増やすのがベストであることは言うまでもないが、そもそもそれができないからタイミーを利用しているので、スキマバイトの数を増やすしかない。これはタイミー的には仲介料が増えてハッピーだが、この人にとってはあまりよろしくない。
本来、この人が収入増のためにやらなくてはいけない学び直し、資格取得、キャリアアップに向けて転職活動など費やすべき時間が、これまで以上にスキマバイトに奪われてしまっているからだ。
そうなるとこの人は、本業の給料はいつまでも上がらず、しかしかといって生活費も足りないし、そのうえ借金も返していかなくてはいけないという「貧困の悪循環」に陥る。それはつまり、この人は「空いている時間を有効活用」などというレベルではなく、死に物狂いでスキマバイトをやらなくてはいけなくなるということだ。
タイミーとしては「借金返済のために頑張るギグワーカー」が増えることは利益につながる。仮にタイミーフィナンシャルが個人向け貸付サービスを展開する場合、そのような人々が毎月、金利を払ってくれれば儲かるだろう。ワーカーのみなさんが過重労働と借金返済で疲弊していくなかで、タイミーというプラットフォームだけは繁栄していく。
このように弱者とシステムの不平等な関係が容易に想像できてしまうところが、「カイジみたい」などと言われてしまう所以だ。
ただ、筆者はもしタイミーフィナンシャルが登録者向けに貸金業をやっていくのだとしたら、このような構造的な問題より、さらに深刻かつ残酷な事態が増えていくと思っている。
それは、タイミーフィナンシャルの債務者から「闇バイト」への流入増加である。







