では、QR乗車券はどのようなものになるのか。現行の磁気乗車券は30×57.5ミリの小型券だが、QR乗車券は自動改札機へのかざしやすさを考慮し、57.5×85ミリの大型券(新幹線特急券などと同等のサイズ)に変更する。券面のQRコードに記録されたIDはセンターサーバーで管理しており、1回しか使えないため、複製しても不正利用はできない。

図表:近距離乗車券のご利用方法の比較(イメージ)JR東日本プレスリリースより
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 利用形態の周知も課題だ。磁気乗車券を購入するのは普段、鉄道を利用していない人だ。きっぷのサイズが変化するとはいえ、これまでとは全く異なる使用法のきっぷだと分からない人もいるだろう。

 前述のように当面、首都圏のQRコード乗車券の裏面は磁気層があるため、普通のきっぷに見える。だが、磁気情報は書き込まれないので、きっぷを投入しても改札は開かない。何度も投入して立ち往生する人も出るかもしれない。QRコードが印字されているではないか、と思うかもしれないが、使い慣れていない人にとっては、それが従来とは異なる使い方をするきっぷであることに気づきにくい。

 また、使用後の回収も課題だ。将来的には「燃えるゴミ」になっても問題ないが、しばらくは特殊な処理が必要な磁気層を持つきっぷが使われる。持って帰って適当に廃棄されたら、環境負荷低減に逆行してしまう。

 今回紹介した三つの取り組みはいずれも、技術そのものより、利用者にいかに分かりやすく使ってもらうかという課題に関わっている。サービスの正式導入までに、こうした使い勝手や周知の問題にどう向き合うかに注目したい。