先日、筆者は関西地方へ出張した際、久しぶりに「経営・管理」の在留資格で来日した複数の中国人経営者に会った。

 驚いたのは、皆、以前より明らかに元気を失っていたことだ。30代の男性、黄さん(仮名)もその一人である。昨年会ったときとは、まるで別人のようだった。

 昨年、黄さんは経営する上海料理店を拡大するため、より広いテナントに移ったばかりだった。「これから内装を整えて、もっと温かい雰囲気の店にしたい」「メニューも充実させたい」と、希望に満ちた表情で将来の展望を語ってくれた。

 ところが今回は、笑顔が消えていた。声のトーンも低く、顔には憔悴の色が浮かんでいた。人はわずか1年で、ここまで変わってしまうのかと驚いた。

 原因は、やはり在留資格「経営・管理」の基準厳格化だった。身近な人の中に、在留期間の更新が認められず、帰国を余儀なくされた人がいると言う。黄さんは「次は自分かもしれない」と怯えていた。

 黄さんと親しくしていた友人一家も、日本を離れて中国へ帰った。

 その友人は、幼稚園児と小学5年生の子どもを持つ4人家族の父親だ。関西で貿易会社を経営していたが、4月に在留期間更新の許可が下りず、「30日以内」の国外退去を命じられた。

 友人は3年前に来日し、貿易事業も順調に展開していた。すでに一度「経営・管理」ビザを更新していた。前回は何も問題なく許可されたうえに、今回の申請でも事業規模や売り上げ、納税額についても、担当の行政書士からは問題はないと言われていたそうだ。ところが、ビザの更新は認められなかった。

 出入国在留管理局に理由を尋ねても、十分に納得できる説明は得られなかったという。

 一家は途方に暮れた。

 2人の子どもはすでに日本での生活に慣れ、幼稚園や小学校にも友だちができていた。毎日、学校や園に行くのを楽しみにしていたという。

 一家は来日前、中国にあった不動産を売却し、生活の基盤を日本へ移していた。日本で長く暮らしていくつもりだった。

 黄さんは「子どもたちが泣きながら中国へ向かう姿を見て、本当に胸が痛かった」と話す。小学生の子を持つ黄さんにとって、決して他人事ではない。自分も同じ運命をたどるのではないかと考えると、不安で夜も眠れないという。

 黄さんの友人の家族はすでに帰国の途に就いたが、日本での生活に馴染んでいた子どもたちは、現地の学校へ通うことを頑なに拒み、今も家に閉じこもったままだという。特に幼い下の子は、あの日々が忘れられないのか、「いつになったら日本の幼稚園に帰れるの?」と、連日のように親へ問い続けているそうだ。