優秀なマネージャーは、「少しだけ演技」する。あえて「演じること」を選べば、「部下に信頼される」「会社に評価される」「自分も疲れない」職場になる。
社労士として3000件を超える職場の悩みを解決してきた本田淳也氏は、「リーダーとしてのふるまい」を意識的に選ぶことが重要だと説く。本稿では、その考え方のなかから、「中間管理職の在り方」について紹介する。

「部下からも上司からも見放される中間管理職」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「上からも下からも責められる」現実

「売上を20%上げろと言われても、いまの人数では部下が倒れてしまいます」

上からの指示と部下からの要望。この板挟みに悩んでいませんか?

中間管理職の最大の悩みは、「部下と経営層の板挟みになること」です。
経営層からは「もっと成果を出せ」と求められ、部下からは「人を増やしてほしい」と訴えられる。

「部下の要望を上に伝えても『甘い』と言われて終わり」「結局、自分だけが悪者になってしまう」
――そういった苦悩を現場のリーダーからよく耳にします。

「優先順位」を見きわめる

板挟みになったとき、大切なのは優先順位の判断です。

売上なのか、社員なのか、経費なのか。
会社の方針も大切ですが、現場の実情に合わない場合もあります。

部下から相談を受けたとき、上司から指示されたとき、何を優先すべきか、目的は何かを意識して理由を考えることが重要です。

・会社の長期的な利益につながるか?
・部下の働きやすさに寄与するか?
・上に説明できる明確な理由があるか?

「部下を守る姿勢」を見せる

上からの厳しい指示を部下に伝えなければならないとき、多くのリーダーがやってしまうのは「会社の方針だから仕方ない」と言って、丸投げすることです。

これでは部下からの信頼を得ることはできません。

たとえ会社の方針に従わざるを得なくても、部下の立場を理解し、サポートしようとする姿勢を見せることで、信頼関係は保たれます。

「会社の決定には従わなければならないが、君たちの負担を軽くする方法を考えていきたい」

こんな言葉をかけるだけで、部下の受け止め方は大きく変わります。

また、ときには上に対して「待った」をかける勇気も必要です。
「この方針では、部下のモチベーションが確実に下がります」
――こうした意見を上に伝えることも、リーダーの重要な役割です。

板挟みの状況では、完璧な解決策は見つからないかもしれません。
でも、「なぜその判断をしたか」を明確に説明できれば、上からも下からも理解を得られるものです。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)