打席が1回しか回ってこないと考えたら、背水の陣の思いで臨むことになる。当然、緊張から気持ちだけが上すべりし、あせって身体が思うように動かない。
でも、1試合に10回打順が回ってくると自己暗示してバットを構えれば、「10回まわってくれば1回くらいはヒットも打てるだろう」と余裕が生まれ、気楽にバットを振り抜ける。
さらにいえば、毎回、スタンドまで叩き込んでやろうと前のめりになると勝機を逸してしまう。そうではなく肩肘を張らずに臨むのがいちばんの得策だ。
1回の表から全力を出し切っていたら、とてもじゃないけど9回まで身体も気持ちも持たない。だから、パワーを温存するためにも、柔軟に「チームの攻撃中は極力ベンチ裏で体を休めよう」「相手ピッチャーはスタミナがないので勝負はラッキー7から。それまではシレっと手を抜いてやりすごそう」と決めておく。その切り捨てが上手い人ほど好機を逃さない。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。そんな自己暗示と取捨選択の技術があれば勝率は上げられるのだ。
成功する人ほど数多くの種を
まき続けている
ネットで何かがバズるのも、結局はこれだ。狙って当てるのは難しい。
だから、動画を投稿するにしても「刺さる1本」を狙うより、「毎日出せる型」をつくるほうが近道だ。テーマを絞り、尺を決め、やり方を固定する。すると、当たりハズレ以前に、投稿数が増える。跳ねる確率は、そこで初めて現実味が増す。
僕がいろんな事業に手を出したり、メディアに出まくったりしているのも、勢いで突っ込んでいるわけではないし、すべてに全力で臨んではいない。
『人生の正体 生きること、死ぬこと』(ひろゆき(西村博之)、徳間書店)
チャンスが転がっているなら、とりあえず乗っかっておいたほうがいい。種をばら撒けるところにはすべてばら撒いておいたほうが勝機につながる。
失敗した99個は誰も覚えていない。成功した1個だけが人々に記憶される。「ひろゆきは運がいい」「先見の明がある」と評価されるわけだ。
もう一つだけ、現実的な注意点を指摘したい。
失敗には「取り返しがつく失敗」と「取り返しがつかない失敗」がある。
頑張りすぎて体を壊してしまう。信用を一発で失墜させてしまう。そういう不可逆的な地雷だけは踏まないようにしよう。それ以外の失敗はあなたの経験値として積み上がっていく。







