行き着く先は交流の減少と
地域経済の空洞化
第2に、規模が大きくなればなるほど、顧客との距離が遠くなり、人間的な触れ合いや、サービスのきめ細かさが失われる。
顧客数が増えれば増えるほど、一対一の人的対応が難しくなる。顧客対応がシステム化され、効率化の名のもとに人間的な交流が減っていく。
実際に、あなたが利用する店を思い浮かべてほしい。小さな店のスタッフの顔は浮かんできても、大規模小売店のスタッフの顔を思い浮かべることは難しいのではないか。顧客にとって「顔のみえない会社」になっていく。
「私は大規模量販店でアルバイトをしていますが、常連客の名前なんて1人も覚えていませんし、顔すら1人、2人程度です」(20代、大学生)
第3に、少数の大企業に経済が集中し、地域経済が空洞化していく。
効率を重視して大企業が市場を占有すると、地域の小さな会社が淘汰されていく。その結果、地元でお金が循環しなくなる。地域経済の「自立性」が失われ、地域の活力が失われていく。
効率の追求だけでは
社会は豊かにならない
たしかに、規模を拡大すれば「効率」は上がるかもしれない。だがその一方で、「多様性」や「地域力」を削ぐリスクもある。
「生産性の低い中小企業は淘汰されてもいい」という主張は、社会を“効率”という1つのモノサシでしかみていない。社会の豊かさや持続可能性は、効率だけでは成り立たないはずだ。
大企業には大企業の、中小企業には中小企業の、それぞれ異なる役割と強みがある。中小企業は、地域の多様性と柔軟性を支える“生態系の要”であり、単なる効率競争の対象ではない。
ここで、あなたの住む地域で、地域の個性をつくり、地元の人々に愛されている企業を思い浮かべてほしい。
おそらく、それは大企業や全国チェーン店ではないだろう。なぜ、その企業が地域で愛されているのか。その理由は、生産性や効率性の高さにあるのだろうか。そうではないはずだ。
たとえば、筆者が大好きな静岡県のハンバーグレストラン。いまや地域を代表するブランドであり、人々に愛されている。







