ニュースな本写真はイメージです Photo:PIXTA

男性にしか就けない仕事、女性にしか門戸が開かれない職域、そうした不平等は誰にとっても息苦しいもの。その意味でフェミニズムが訴えてきた「平等を求める声」は、真っ当な主張だと筆者は語る。一方で、「男女が分かれていることそのものはそれほど不自然なことではない」とも。山村で暮らす思想家が、ジェンダー観を語る。※本稿は、青木真兵『資本主義を半分捨てる』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

依然として日本社会に
存在する「ガラスの天井」

 男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」を見ても、社会の構造的な不均衡は明らかです。この指数は「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野で構成されていますが、特に日本では経済と政治における不平等が際立っています。2025年の日本の順位は148カ国中118位であり、女性の社会参画の機会が依然として限られていることを示しています。

 このような社会では、まず女性が「社会に出ていくこと」そのものが挑戦であり、平等を唱える以前にその前提となる常識や制度をつくり直す必要があります。

 いかに能力や実績があっても、一定以上の職位に昇進できない「ガラスの天井」が存在することは明らかです。ガラスの天井とは、女性やマイノリティが見えない組織的障壁によって排除される構造を指す言葉ですが、これは個々の努力の問題ではなく、社会全体の設計そのものに内在する問題なのです。

女を「分断」する
近代国家のありかた

 ジェンダーギャップが生まれた背景には近代社会の成立過程があり、文学研究者の竹村和子さんは次ページのようにまとめています。またこの状況に異を唱える概念として「フェミニズム」についても説明しています。