さわやかのハンバーグ写真はイメージです Photo:PIXTA

極限まで効率化を進める大企業を見て、追随しようとする中小企業の経営者は少なくない。しかし、静岡県の人気ハンバーグチェーンは、あえて手間のかかる接客や調理を続けることで多くのファンを獲得してきた。その強さの源泉はどこにあるのか?※本稿は、岩崎邦彦『小さな会社を強くするマーケティング思考』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

民放のテレビ番組
どの局も似たような番組が多いのはなぜ

 大企業型の効率モデルを無理に中小企業に当てはめ、規模の拡大を追求すると、さまざまな副作用が生まれる。

 第1に、地域の多様性や独自性が失われ、画一的な社会になる。

 規模が大きくなると、企業はより多くの顧客を獲得するために「量のマーケティング」を志向する。量の追求の行きつく先は、同質化だ。このメカニズムを示したのが、図1-2である。この図の横軸は、多様化した需要を示している。

図1-2 量の競争の行きつく先は同質化同書より転載 拡大画像表示

 大規模量販店である「X店」と「Y店」が、顧客数の最大化を追求して競争を続けるとどうなるか。

 そう、結果として、両店ともにもっとも平均的なニーズに対応することになってしまう。すると、図1-2に示すように“真空地帯”が生まれてしまう。

 今、消費者ニーズはかつてないほど多様化している。にもかかわらず、量の競争を前提とする大きな企業は、こういった多様な需要に対応することが難しい。

 たとえば、大規模量販店の食品売り場をみてみよう。消費者のニーズが多様化しているにもかかわらず、実際にはどの大型スーパーに行っても、レイアウトも品揃えもほとんど同じようにみえる。

 民放のテレビ番組も同様だ。今ほど娯楽・教養・学びなどのニーズが多様化している時代はないにもかかわらず、どの局も似たような番組が多いのはなぜだろうか。

 その理由は、簡単だ。大規模量販店、民放テレビ局のいずれも量(顧客数、視聴率)を追っているからである。

 繰り返そう。量の競争の行きつく先は、同質化である。