相手の職業について「大学教授」と聞くと、几帳面で真面目で、世界中のあらゆることに精通しているのだろうと自動的に推測してしまうかもしれません。ひとつの目立つ情報に引っ張られて、判断が大きく歪む場合があります。このようなステレオタイプ的な判断も、代表性ヒューリスティックのひとつの例です。
出来事が起こった後で、「最初からそうなると思っていた」と思ったり、発言したりすることがあります。このような傾向を後知恵バイアスと言います(注6)。
ワールドカップやワールド・ベースボール・クラシックのようなスポーツの世界的な大会が開催されると、事前にさまざまな「予想」が報道されますし、多くの人々が「こうなるだろう」と予想することでしょう。
そして大会が終わったときには、多くの人が「完全には予想していなかったけれど、こうなると思っていたんだよな」と感じてしまうことでしょう。これも後知恵バイアスです。
サブスクが解約できないのも
バイアスが関係している!?
今の状態を変えることに対して何かしらのリスクを感じ、本当は変えたほうがよいにもかかわらず変えられないことを現状維持バイアスと言います(注7)。
いったん契約したサブスクリプションサービス(オンラインドライブや動画配信サービスなど)について、オプションを見直したり解約したりすることをせずに、つい更新し続けてしまうのも、このバイアスが影響しているからかもしれません。
これらの他にも、私たちの物事の判断には、多くの認知的なバイアスが影響を及ぼしています。これらは私たち人類が進化してきた中で獲得してきた「クセ」のようなものです。
判断を行う前に、こういったバイアスの影響を取り除くことは困難です。
(注6)マーク・フリーマン、鈴木聡志(訳)(2014)、『後知恵:過去を振り返ることの希望と危うさ』新曜社
(注7)Samuelson, W., & Zeck hauser, R.(1988). Status quo bias in decision making. Journal of Risk and Uncertainty, 1(1), 7-59.







