写真はイメージです Photo:PIXTA
数値というものは、なんとなく「正しそう」に見える。でもその印象、けっこう危ない。たとえば最初に見た情報に引っ張られたり、たまたま思い出しやすいニュースで判断が歪んだり、人間の頭は思っている以上に数字に影響されている。しかも厄介なのは、それに本人が気づきにくいことだ。では、どうすれば数字に振り回されずにいられるのか。※本稿は、早稲田大学文学部学術院教授の小塩真司『「数値化」中毒 なぜ手段が目的に変わるのか』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
物事を判断するときに働く
認知的なバイアスとは?
私たちは物事を判断するときに、多くの認知的なバイアスに基づいて行ってしまうことが、これまでの心理学の研究知見で指摘されています。
たとえば、いったん何かを信じてしまうと、自分の信念や仮説を支持する情報ばかりを集め、反する情報を無視したり軽視したりしてしまいます。これを確証バイアスと言います(注1)。
就職希望者を面接するときに、応募者の第一印象が良いと、その人物の良いところを探し始めます。そして、好意的で回答しやすい質問を繰り返すことで、「やはりこの人物は素晴らしい」と感じてしまいます。
一方で第一印象が悪いと、それだけで質問が厳しいものになっていき、回答に窮する様子を見て「やはり能力がない」と判断してしまうことが生じます(注2)。
(注1)Nickerson, R. S.(1998). Confirmation Bias:A Ubiquitous Phenomenon in Many Guises. Review of General Psychology, 2(2),175-220.
(注2)ダニエル・カーネマン、オリヴィエ・シボニー、キャス・R・サンスティーン、村井章子(訳)(2021)、『NOISE[上][下]組織はなぜ判断を誤るのか?』早川書房







