「出世したくない」という人は多い。しかしAI全盛のこれからの時代、「ポジション」についていない人は、いつ組織から不要とされるかわからない。では、どうすればいいのか? 9年間、総額1億円超をかけて17万人以上の行動データと人事評価を徹底分析して書かれた『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司著、ダイヤモンド社)からヒントを紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
Photo: Adobe Stock
「自分の仕事」だけ頑張っていると、5年後に詰む
与えられた担当業務をきっちりこなす。
自らの持ち場で成果を上げるために全力を尽くす。
正しいビジネスパーソンの姿に見える。
だが、自分の仕事の成果だけで給料を上げてもらえる時代は、すでに終わった。
どれだけ手元の数字を積み上げても、他部署のリーダーや役員から推薦の声が上がらなければ、昇進の土台にすら載らない。
それに、1つの業務に依存していると、「AIに取って代わられるリスク」は当然大きくなる。
昇進する人は、「他部署の悩み」を把握している
では、なぜか昇進していく人は何をしているのだろうか。
『会社から期待されている人の習慣115』によると、815社17万人のビジネスパーソンの行動と人事評価データを分析した結果、意外な共通点がわかったという。
彼らは、自分の担当や部署の枠を飛び越え、他部署の「困りごと」さえも把握していたのだ。
一方、一般社員で答えられた人は2割以下でした。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より
他部署への「貸し」を増やす
期待されている人たちが他部署の課題に興味を持っているのは、手を差し伸べるためだ。
同書では、いくつかの実例が紹介されている。
大手商社の人事部長も、こう断言しています。
「昇進会議で名前が挙がる人には共通点があります。他部署の役員から“あの人には世話になった”という声が出てくること。自部署の成果をどれだけ積み上げても、他部署からの推薦がない人は上に行けません。出世は、他部署への“貸し”の総量で決まるんです」
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より
人事異動から、組織の「意志」を読み取る
著者が208社2万3,000人の行動データを分析したところ、期待されている人たちは、自部署以外の活動や実績を定期的にリサーチしている比率が高いとわかったそうだ。
では、いったいどのようにして他部署の動向をリサーチしているのだろう?
著者が「他部署の情報をどうやって集めているのですか?」と聞くと、意外な答えが返ってきたという。
大手金融機関で40代にして執行役員に就いた男性は、こう教えてくれました。
「人事異動は会社からの最大のメッセージです。どの部署にエース級が集められているか、どの部門から役員が出ているか。これを3年分追いかけると、経営陣が次に何を仕掛けようとしているか見えてくる。予算書より人事情報のほうが、よほど正確に会社の本気度を示しているんです」
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より
他部署に興味を持ち、内情を知ることで、会社の流れも知ることができる。
目の前の仕事だけに注力しない。
人事情報から会社の流れを読み、他部署への「貸し」を資産として蓄積していく。
それが、5年後も10年後も組織に求められ続ける人の共通点なのだ。
(本稿は、書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。










