さらに、過半数の企業が今後5年間の中国市場に対して楽観的または比較的楽観的な見方を示している。それにもかかわらず、2026年に中国への投資を予定している企業は49%にとどまった。

 「今年、中国への投資を予定している」企業は49%

中国図版1US-China Business Council(USCBC)が2026年2~3月に、中国で事業を展開する米国会員企業を対象に実施した調査。「貴社は2026年に中国への投資を予定していますか」との設問に対する回答。有効回答数134社。 出所:USCBC「2026 Member Survey」を基に編集部作成

 利益は出ている。将来にも期待を持っている。それでも投資は増えない。同様の傾向は日本企業にも見られる。日本貿易振興機構(ジェトロ)の「海外進出日系企業実態調査」(2025年)によれば、今後1~2年で中国事業を拡大すると回答した企業は21.3%にとどまった。

 もちろん、地政学リスクや人件費の上昇、内需の伸び悩みなど、より直接的な要因も存在する。しかし、利益が出ているにもかかわらず投資が増えないという非線形の反応は、それだけでは十分に説明しきれない。

 企業が感じ取っているのは、単なる法令順守の負担ではない。「政治に深入りしないビジネス」という暗黙の前提が、構造的に狭まりつつあるという変化だ。

 それは規制強化そのものではない。中国国家が企業活動の背後にある価値観や歴史認識にまで関与し始めているという変化である。その意味で民族団結法は、少数民族政策の問題ではない。中国で活動する外国企業自身の問題でもある。

法律の背景にある
習近平が「もっとも恐れていること」

 ほとんどの報道がとっているフレームは「少数民族政策の強化」と「域外適用による言論弾圧」だ。だがそのフレームでは、この法律の本質を見誤る。

 この法律の背景にあるのは、習近平氏の危機感である。