削った台タイヤに、新しいトレッドを巻きつける

 補修を終えた台タイヤには、いよいよ新しいトレッドが与えられる。工場内には厚みのある黒い帯状のゴムが積まれている。これが新しい接地面になるのだ。

帯状に積まれた新しいトレッド材帯状に積まれた新しいトレッド材。この黒いゴムの帯が新しい接地面になる Photo by A.T.
トレッド材が、トレッド成型機押出スクリューに吸い込まれていくトレッド材が、トレッド成型機押出スクリューに吸い込まれていく Photo by A.T.

 加熱された帯状のトレッド材を、台タイヤの外周に巻き付けていく。削られて丸裸にされた台タイヤが、ここで再び厚みを増していく。

台タイヤに新しいゴムが巻き付けられていく台タイヤに新しいゴムが巻き付けられていく。削られてトレッドを失ったタイヤが、ここで再びタイヤらしい厚みを取り戻していく Photo by A.T.
ゴムが巻き付けられ、加硫工程へ進む前のタイヤゴムが巻き付けられ、加硫工程へ進む前のタイヤ。サイドウォールにはTOYO TIRESの文字が見える。加硫前なのでトレッドと台タイヤの段差が大きい Photo:Diamond

加硫から仕上げまで――生まれ変わるタイヤ

 ここからが本番だ。黒いゴムで巻きつけられた台タイヤは、いよいよ加硫工程※へ送られる。熱と圧力をかけ、台タイヤと新しいトレッドを一体化させる工程だ。この工程によって、台タイヤと新しいゴムが密着し、「タイヤらしい」形になる。

※加硫(かりゅう):ゴムに硫黄などを加えて熱と圧力をかけ、分子同士を結びつけてタイヤとして使える弾力や強度を持たせる工程のこと。更生タイヤでは、台タイヤと新しいトレッドを一体化させる重要な工程である。

 工場内には加硫用の巨大な設備が据えられている。いかにも重工業的な立派な機械である。黒いタイヤがその中に収まり、時間をかけて熱を受ける。この工程を見ると、リトレッドが単なる「貼り直し」ではなく、もう一度“造る”に近いことが分かる。

加硫用の大型装置加硫用の大型装置。熱と圧力によって、台タイヤと新しいトレッドを一体化させる。リトレッドが単なる「貼り直し」ではないことが分かる工程だ Photo by A.T.