「部下に厳しく言ったら、ハラスメントになるかもしれない」。そんな不安から、必要な指導までためらってしまう管理職が増えています。しかし、本当にハラスメントになる上司は、「厳しい人」ではありません。むしろ、本人は良かれと思っているのに、知らないうちに部下を追い詰めてしまう人には、ある共通した特徴があるのです。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南します。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「全く使えない社員」の口癖・ワースト1Photo: Adobe Stock

「全く使えない社員」の口癖

「この会社、なんか居心地が悪いんですよね」
「最近、上司が冷たくなった気がします」

 こんな言葉を口にする社員がいます。
 もちろん、本当に職場環境に問題があるケースもあります。しかし、その原因が「自分自身の立場の変化」を受け入れられていないことも少なくありません。

 では、「全く使えない社員」の口癖とは何でしょうか。結論から言えば、「寂しい」です

ワースト1:「最近、寂しいんですよね」

リーダーの仮面』という本で私は、次のように書きました。

社長の仕事は、孤独だと言われます。
私自身、孤独です。
私の会社の社内は私語も少なく、他の会社と比べてとても静かだと言われます。整理整頓された空間で、全員が淡々と仕事をしています。
とてもスムーズに業務進行がなされています。
ピラミッド組織では、立場が上にあがればあがるほど、孤独になります。
最初にリーダーになるタイミングでは、その孤独を引き受けられず、つい仲良くすることを優先させてしまいます。
――『リーダーの仮面』より

 仕事は、友達をつくる場所ではありません。
 しかし、使えない社員ほど、「みんなと仲良くしたい」「いつも誰かと話していたい」という気持ちを優先します

 その結果、仕事よりも人間関係が目的になってしまうのです。

出世する人ほど「孤独」を受け入れる

出世をすると、コミュニケーションが減り、「最初は寂しく感じた」と言います。
これは、どの組織の管理職も同じことを口にします。
「寂しい」
この感情を引き受けることが、リーダーの立場では必要です。
その後、業務スピードが向上したことで、その部長は寂しさを気にしなくなっていきました。
――『リーダーの仮面』より

 昇進すると、これまでのような関係ではいられなくなります

 部下と必要以上に雑談をしなくなる。
 同期とも距離が生まれる。
 飲み会の回数も減る。

 これは、失敗ではありません。
 役割が変わった結果として、自然に起こることです

 その変化を受け入れられる人が、管理職として成長していきます。

学生気分が抜けない人は成長しない

さて、こうした「寂しさ」を感じる原因はなんでしょうか。
それは、「学生気分」にあると思います。
多くの人は、高校や大学を卒業して、就職活動をして、いまの会社に勤めていることでしょう。
入社1年目や新人の頃は、同期も横並びで学生気分で乗り切れたでしょう。
うるさい上司は学校の先生のように見え、同期同士でグチを言ってガス抜きをしてきたかもしれません。
しかし、いざあなたが責任のある立場を任されると、一気に学生気分ではやっていけなくなります。
そこで感じるのが、先ほどの「寂しさ」です。
――『リーダーの仮面』より

 会社は学校ではありません

 いつまでも同期と横並びでいたい。
 上司の愚痴を言い合っていたい。
 みんなで仲良く仕事をしたい。

 こうした学生気分の延長線上にいる限り、責任ある立場は務まりません。
 役割が変われば、人間関係も変わる
 その現実を受け入れることが、社会人として成長する第一歩なのです。

「全く使えない社員」の口癖・ワースト1。それは、「寂しい」です

 組織では、役割が上がるほど孤独になります。

 その孤独から逃げて仲良しグループをつくろうとするのではなく、自分の役割を果たすことに集中する
 その姿勢こそが、社会人として、そしてリーダーとして成長する条件なのです。だからこそリーダーは仮面をかぶりましょう。

(本記事は、書籍『リーダーの仮面』の一部を抜粋・編集したものです)