「やられたらやり返す。倍返しだ!」
放送わずか2回ですでに「お茶の間の定番」と化したこの名セリフを引っさげて、TBS日曜劇場「半沢直樹」が絶好調だ。初回から平均視聴率19.4%と好調な数字をマークしたうえ、さらに第2話が初回を上回る21.6%を叩き出したのだ。上司相手でも物怖じしない銀行員、半沢直樹が主人公のこのドラマだが、実際のところ、現役のバンカーはどのように見ているのだろうか?
「半沢直樹」シリーズ第3弾『ロスジェネの逆襲』、そして現在「週刊ダイヤモンド」で連載中の第4弾『銀翼のイカロス』を担当する記者が、現役バンカーに直撃した!(取材・文/「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史)
半沢は本当に「倍返し」できるのか?
現役バンカー視点で、「半沢直樹」を見てみよう
ドラマ「半沢直樹」が、高視聴率スタートを切った。
原作は直木賞作家の池井戸潤氏の人気小説『オレたちバブル入行組』、『オレたち花のバブル組』(ともに文春文庫刊)の2作。実はこの「半沢直樹シリーズ」第3弾である『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社刊)は「週刊ダイヤモンド」の連載小説で、最終回では本誌の巻頭を飾る初の快挙を達成したほどの人気を誇った作品。さらに今年5月からは第4弾『銀翼のイカロス』の連載がスタートしたばかりだ。
そうした絶妙なタイミングだっただけに、本誌はドラマ化が決まった直後に池井戸氏と主演の堺雅人氏の対談を実現(2013年6月22日号)。ドラマ開始後も当編集部はもちろん欠かさずチェックしているわけだが、一視聴者として楽しみながらも、ふと「週刊ダイヤモンド」の記者としての興味が湧いてきた。現役の銀行員たちは、このドラマをどういう気持ちで見ているのだろうか、と。
というのもこのシリーズ、舞台は「銀行」だ。堺氏演じるバブル世代の半沢が、上司相手に正義感をむき出しにし、歯に衣着せぬ物言いで立ち向かう“爽快感”が小説同様、視聴者にウケているものと見られる。ドラマでは、支店長の命令で5億円の融資をした途端にその企業が倒産、その責任を一人負わされそうになった融資課長の半沢が、その危機からいかに脱するかが描かれる。
しかし実際のところ、そのリアリティについては銀行員にどう映っているのだろう? 半沢のように「やられたら倍返し」を真似でもした日には、「とんでもない事態」に陥るであろうことは言うまでもあるまい(笑)。