「努力した者は努力しただけ上に上がれる」→それってほんと?明治の出世論がエグかった〈風、薫る第67回〉

直美のおにぎり

 それぞれのお仕事論が語られた第67回。ほかに注目ポイントは料理だ。この回、食べ物が何度も出てきた。

 りんの家では美津(水野美紀)のお手伝いで環(英茉)が絹さやの筋とりをしていた。刃物を使わず、家事感が出る万能素材である。筋をとりながらの会話シーンは間がもつ。

 朝、直美はおにぎりを握っている。その傍らでりんはねぎを切る。おにぎりを握るのも、刃物を使わず家事感が出る。ネギを切るには包丁が必要だが、ネギは比較的切りやすい。

 直美が握ったおにぎりは、朝ごはんかつ、お弁当のようだ。りんが看護婦の待機所に来ると、直美がおにぎりを頬張っている。食べる?と言われ、隣に座って食べるりん。

りん「ずっと言おうと思ってたんだけど、直美さんのおにぎり大きくない?」
直美「小さいよりはいいでしょう」
りん「大きくも小さくもないのがいい」
直美「できるわけがない」

 直美は不器用だから。

 第66回、りんは、直美からもらった包みのなかからおにぎりを取り出して食べていた。そのとき、包みが妙に重量感があったのと、りんが食べているおにぎりがなんだか大きく見えたのは間違いではなかった。

 おにぎりを作ってお弁当として持ってくるようになった直美。忙しいりんの食事情も気遣っている。

 天涯孤独の身のときの食事情がどうだったかはわからない。いまはりんの家に居候して、直美ははじめて家庭の味を覚えたのだろう。

 長屋のトヨ(松金よね子)のお見舞いにいって、鍋に卵を溶いて、たぶんおじやだと思うが、それを作ったりもする直美。なんだかりんよりも成長著しいのでは。

 それはそうと、13分22秒くらいに映るりんが見つめる壁のヒビ。これには何か意味があるのだろうか。ものすごく唐突に、でも意味深に映っていた。

「努力した者は努力しただけ上に上がれる」→それってほんと?明治の出世論がエグかった〈風、薫る第67回〉