同じ職場で働いていても、部下から慕われるリーダーもいれば、「何か物足りない」と感じられるリーダーもいる。その違いは、決断力や仕事の速さだけではない。多くの人が見落としがちな、ほんの少しの気配りが、チームの雰囲気や成果を大きく左右している。

「何かと残念なリーダー」ができないこと・ワースト1Photo: Adobe Stock

20年経っても忘れられない、先生の一言

20代後半の頃、中学校の同窓会に参加しました。
二次会では20人以上が集まり、それぞれ昔の仲間同士で盛り上がっていました。

そんな中、内向的な同級生が一人だけ、どの輪にも入れずポツンと座っていました。
そのとき、参加していた担任の先生が立ち上がって、その友だちのところに歩いて行ったんです。

「○○、こっち来てみんなと一緒に飲もう」

その一言で、友だちの表情が明るくなりました。
周りも「やっぱり先生だな」と心から感心したものです。
20年以上経ったいまでも、この場面ははっきりと覚えています。

「静かな人」から意見を引き出す

職場でも、まったく同じような場面は頻繁に起きています。

会議でいつものメンバーが活発に意見を交わしているのに、新しく配属された部下は黙って聞いているだけ――そんなとき、優秀なリーダーは必ず「田中さんの考えも聞かせて」と話を振ります。

こうした配慮ができないリーダーの職場では、いつも同じメンバーだけが発言し、大人しい人はずっと蚊帳の外。
せっかくのよいアイデアが埋もれてしまったり、新人が早期に退職してしまったりすることが多いんです。

ここで重要になるのが、「俯瞰する視点」です。
同窓会の先生も、会場全体を俯瞰していたからこそ、一人ぼっちの友だちに気づけたのでしょう。

「俯瞰する習慣」を身につける

内向的な人ほど、輪に入りにくい状態になりやすいものです。
やる気がないわけでも、関心がないわけでもありません。
ただ、自分から発言するタイミングをつかみにくいだけなんです。

休憩時間の雑談、飲み会での会話、会議での意見交換。
そんな場面で「○○さんはどう思う?」と一言振ってあげるだけで、彼らは安心して話し始めることができます。

明日から、会議や休憩時間に一歩引いた視点で職場全体を眺めてみてください。
その些細な気配りが、部下にとって忘れられない体験になるはずです。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)