「AIロボティクス」が物流課題解決に貢献 画像:カーゴニュース
日本の強みである産業用ロボットや関連部品の技術と最先端の人工知能(AI)を融合し、社会課題の解決や経済安全保障の強化を目指す国家戦略「AIロボティクス戦略」が3月に策定された。物流や介護、農業など16分野でのフィジカルAI(AIロボティクス)の社会実装プランが盛り込まれている。同戦略の狙いと実現に向けたロードマップなどについて、経済産業省で製造DXの推進役を担う産業機械課長兼AIロボティクス推進官の須賀千鶴氏に話を聞いた。(カーゴニュース 西村太郎、吉野俊彦)
アーム型の産業用ロボット市場で
日本は高いシェアを誇るものの…
――AIロボティクス戦略の目指すところを教えてください。
端的に申し上げれば、AIロボティクスを日本の中核産業として育成することです。世界のロボット市場に目を向けると、2025年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)調査では、アーム型の産業用ロボット市場は0.8兆円となっており、日本はそのうちの約7割という高いシェアを持っています。
しかし、その一方で、飲食店や医療機関などで広く利用されているサービスロボット市場での日本のシェアは約11%と低く、米国の30%、中国の37%と比べて遅れをとっています。また、生成AIの開発でも日本は米国や中国の後塵を拝しているのが現状です。
つまり、日本は産業用ロボットの分野で高い競争力を維持しているにもかかわらず、そのポテンシャルを十分に活かし切れていません。そのような状況を、官民あげてAIロボティクス戦略を実行していくことで打ち破りたいと考えています。
もうひとつの大きな目的は、社会課題の解決です。日本国内では人口減少を背景としてあらゆる産業において労働力不足が顕在化しています。なかでも製造、物流、建設、介護などの現場では作業の担い手不足が年々深刻化しており、「早くロボットを普及させてほしい」と一部の労働組合からお声をいただくまでになっています。







