その上、相場が値上がりしたら、その分も上乗せされる。アベノミクスが始まった2013年以降マンション価格は上り調子で高騰し、マンション価格は2倍以上に値上がりした。年平均の値上がり率は7%ほどなので、10年で7000万円の含み益になる。こうして先ほどの2000万円と加えて、9000万円になり、近いうちに資産は1億円を超えることになる。
値上がりの理由は、アベノミクスの金融緩和によって金利が下がり、不動産に余剰資金が流れているからで、この異次元の金融緩和は手仕舞いに多大な時間がかかると日銀は発表している。ということはまだ相場は上がることになる。
現在、持家取得者は住んでいながら資産形成ができる状況にあるが、賃貸居住者は「高くて買えない」と嘆いているという二極化を招いている。
今、1億円の家に住むなら、家賃は月25万円ほどになる。掛け捨てになる家賃を払った後の手元資金で貯金をするのは難しい。一方で、同額を住宅ローンの返済にあてて、もし資産価値が落ちなかったら、売却時に1億円で売れる。そうすると、売却時に既に返済した元本が全額返って来るので、家賃に相当する年間300万円を積み立てしていたことになる。
つまり、家賃は掛け捨てになり、住宅ローンは積み立てになるということだ。
都区部の家賃が上がり続ける今
賃貸住まいはどんどん不利になる
賃貸派は月25万円・年間300万円を10年支払うと、3000万円の現金を失うことになる。これに対して、持家派は購入物件が値下がりしなかったら、売却時に支払った住宅ローン3000万円が全額戻って来る。現状は物件価格が年率7%上昇しているので、1億円の物件は10年で7000万円値上がりしている。
この時点で、賃貸派と持家派の資産格差は1億円になる。もし、年率2%で物件価格が下落したとしたら、10年で2000万円を失ったことになるが、それでも賃貸派よりも1000万円有利だったことになるということだ。
『新版 マンションは10年で買い替えなさい』(沖 有人、朝日新聞出版)
これに追い打ちをかけるように、賃貸住まいにバッドニュースがある。都区部の家賃は2016年以降上昇し始め、2025年には年率平均2%ほど値上がりしている。新築に4年住んで引っ越そうと思ったら、同じ家の家賃が築4年経過しているのに8%高くなっているのだ。
家賃は需給バランスで決まるので、単純に稼働率が高いから値上げしている結果だ。こうなるのも持家価格が高騰しているために、買える人が少なくなり、賃貸に住み続けている世帯が増えているからに他ならない。
稼働率が上昇し続けているがゆえに今後は現状以上のペースで家賃が上がっていくと想定されるので、5年後には今より1割の値上がりでは済まない可能性が高くなってきた。今20万円の家賃の部屋が、築年数が5年も古くなって23~24万円に値上げされているのを許容できるだろうか?







