「もっとお金を残せばよかった」と後悔する人は、ほとんどいない。高齢になってからお金を使うのは意外に難しい「もっとお金を残せばよかった」と後悔する人は、ほとんどいない。高齢になってからお金を使うのは意外に難しい(写真はイメージです) Photo:PIXTA

老後資金が足りなくなるのではないか、そんな心配を抱えて節約に励んでいる、お金を使わずに貯めている、という人は多いのではないでしょうか。しかし、相続専門税理士の天野隆さんは、お金には「使いどき」があるといいます。天野隆さんの著書『限りある時間を豊かにする 人生最後のお金の授業』(青春出版社)から、後悔しないお金の使い方を学びます。

「いい人生だった」と言える人のお金の使い方

 私はこれまで45年間、相続専門の税理士として3万1000件を超える相続の相談や手続きに携わってきました。

 その中で、たくさんの人生の終わりに立ち会ってきました。

 財産をたくさん残した人。

 子どもや孫に愛された人。

 反対に、せっかく築いた財産がもとで家族が争い、不仲になってしまったケースも見てきました。

 そんな経験を重ねる中で、私はあることに気づきました。それは、

「もっとお金を残せばよかった」

 と後悔する人は、ほとんどいないということです。

 人生の最後に聞こえてくるのは、

「お金の使い方を間違えた」
「もっと自分のためにお金を使えばよかった」
「もっと人のためにお金を使えばよかった」

 という声です。

 多くの人は、どう稼ぐか、どうためるかという「お金の増やし方」については学んでいます。

 しかし、「お金の使い方」について真剣に学ぶ機会はほとんどありません。

 お金は、持っているだけでは人生を豊かにしてくれません。お金が価値を持つのは、自分や誰かの幸せのために使われたときです。

 ところが、人生後半になると、多くの人がお金を使うことに慎重になります。