ただし、50代くらいになると、「先送り」にしないことが大切になってくる。なぜなら、年齢や体力の問題があるからです。登山ツアーには年齢制限があり、ダイビングは持病で参加できないこともあります。お金があっても、それを使うことを体が許してくれない場面が、年を取るごとに着実に増えていきます。

お金があっても、それを使うことを体が許してくれない場面とは?50代くらいになると、年齢や体力の問題が出てくる。節税のために頭を悩ませるより、行きたいところへ行き、食べたいものを食べ、会いたい人に会う。そのうえで、残ったものを家族に託す(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 だからこそ、何か体験するなら早いほうがいい。

 私自身は、2026年のFIFAワールドカップをダラスへ1人(事実は妻を誘ったのですが断られました)で見に行ってきました。正直、不安もありました。しかし「年齢的に最後かもしれない」という気持ちで臨んでいます。妻には「またそんなこと言って(もう何度目?)」と笑われますが、動けるうちに行く、その覚悟です。

 肉体的にも精神的にも、億劫になることが年とともに増えます。しかし好きなものへの億劫さは、そうでもありません。「何に億劫を感じないか」。それもまた、自分の軸を知る手掛かりです。

 実を言うと「大いに使う」ことは、相続対策としても理にかなっています。

 相続は必ずしも「残された人のため」にばかりするものではありません。同時に、本人が納得し、楽しみながら進められる相続対策こそが、結果としてよい相続につながります。

 節税のために頭を悩ませるより、行きたいところへ行き、食べたいものを食べ、会いたい人に会う。そのうえで、残ったものを家族に託す。そのほうがずっと豊かな人生の締めくくりになるのではないでしょうか。

お金を使う基準は「未来の自分が喜ぶか」

 よく生きるためにお金をどう使うか。

 この問いを、真剣に考えたことがある人はどれくらいいるでしょうか。