たとえば就職氷河期世代なら、まず仕事を見つけ、とにかく生き延びることに精いっぱいだった、気がついたら40代・50代になっていた、という方は少なくないはずです。

「生き延びるためのお金」から「よく生きるためのお金」へ。人生には、その切り替えが必要な時期があります。

 1つの判断基準を紹介しましょう。

 私の妻が若い頃から実践していたことですが、お金を使うときに「10年後・20年後の自分が喜んでいるかどうか」を基準にするというものです。宝石や流行の洋服の類は、10年後には価値が変わっているかもしれません。しかし人間関係に使ったお金、体験に使ったお金は、時間が経つほど自分の中に蓄積されていきます。

「10年後の自分が喜んでいるか」を基準にすると、同じお金の使い方でも意味が変わってきます。

 たとえば、2000円のランチを「仕事仲間といい情報交換ができて活力が湧いた、安いものだ」と受け取るか「500円の弁当でいいのに、ムダ遣いをした」と受け取るか。

 あるいは、語学スクールに通うお金を「どうせ続かない」と思って渋るのか、「10年後の自分が使える言語になっている」と思って払うのか。健康診断のオプション検査を「今は元気だから」とスキップするのか、「将来の自分に早期発見という贈り物をする」と思って受けるのか。

 同じお金の使い方でも、時間軸を変えるだけで意味がまるで違ってきます。

 この基準を持つのに、50代はちょうどよい時期です。

 年金や貯蓄も含めて自分の財産がある程度見えてきて、大きな変動の可能性も低くなる。

「残りの人生でこのお金をどう使うか」をじっくりと考えられる年代です。お金という道具の使い方を、いよいよ自分で決めなければならない時期だといえるでしょう。