自分のために使えない人は、人のためにも使えない

 一方で、不安からお金をひたすらため込み、自分のためにも使えない人がいます。

 大金持ちなのにランチに1000円以上出したことがない、会食には来ない……そうした生活を送る人は、自分への投資もできなければ、他者への贈与や寄付にも考えが及びません。預金残高を守ることが目的になってしまった人のことを、ある人は「金庫番」と呼びます。

 金庫番になると、お金は完全に死に金になります。そして皮肉なことに、お金を守ることばかり考えている人ほど、人間関係が薄くなっていく傾向があります。人づきあいにお金を使わないから交流が減り、孤立していく。幸福になるための人とのつながりが、気づけば失われているのです。

 国際的に見て日本には寄付文化が根付いていないようです。自分のためにも使えない人が、他者のためにお金を使うのはさらに難しい。まず自分のための生き金を考えることが、人のためのお金の使い方へとつながる第一歩でもあります。