NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』より (C)NHKNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』より (C)NHK

歴史はエンターテインメント!かしまし歴史チャンネルへようこそ。『豊臣兄弟!』第26回のタイトルは「信長を笑わせろ!」。織田信長(演:小栗旬)には本能寺の変が迫り、羽柴秀吉(演:池松壮亮)による中国攻めも山場を迎えていました。ドラマでは描かれませんでしたが、この頃、秀吉が行った鳥取城攻めは、城内が地獄と化した戦いとして知られています。200日にもわたる籠城戦。開城後、ようやく助かったはずの人々を、さらなる悲劇が襲ったのです。(かしまし歴史チャンネル/川合章子)

「中国攻め」本格化の狼煙となった鳥取城

 戦国時代の城攻めには、さまざまな方法がありましたが、その中でも特に悲惨なものとして知られるのが、天正9年(1581)の秀吉による鳥取城攻めです。

 この戦いは後世、「鳥取城の餓え(かつえ)殺し」「鳥取城の餓え死に」と呼ばれるようになりました。なぜそのような恐ろしい呼び名が付けられたのでしょうか。

 天正8年(1580)、播磨の別所長治の三木城も降伏し、荒木村重が籠もった花隈城も落城しました。

 播磨・摂津方面の戦乱がほぼ収束したことで、織田信長の中国攻めは、いよいよ本格化します。その最初の標的となったのが、因幡国の鳥取城でした。

 当時の城主は、山名豊国です。秀吉に包囲された豊国は、約3カ月の籠城の末に降伏しました。しかしこの決断は、家臣たちの強い反発を招きます。

 鳥取城の家臣団には毛利方の者が多く、「なぜ勝手に織田へ降伏したのか」という不満が噴出したのです。その結果、山名豊国は城から追放されてしまいました。

現在の鳥取城跡(久松公園の擬宝珠橋)現在の鳥取城跡(久松公園の擬宝珠橋) Photo:PIXTA

 その後、鳥取城には毛利方の武将である吉川経家が入城し、城の守備を任されることになります。