人間関係を完全に断ち切らないための工夫

ここに「相手を憎む」という感情を持ち込んでしまうと、うまくいくものもいかなくなってしまいます。

「この人はこういう行動をする人なんだな」と記憶にとどめておき、その場はサラッと流してあげるのが正解です。不快な出来事があれば、無理をしてまで深く関わる必要はありません。しかし、仕事などで再び関わりを持つ可能性はゼロではないはずです。

そんな時、昔の恨みを引きずって「なんだこの野郎」と怒りを爆発させたり、絶縁や共演NGのような状態にしてしまったりするのは、非常にもったいないことです。仕事は仕事として、きちんと対応すべきです。

相手の人格を否定したり憎しみを抱いたりしてしまうと、その後のつながりが絶たれてしまいます。だからといって相手の行動を完全に忘れてしまうと、また同じような期待をして同じように嫌な思いをする羽目になります。ですから、「記憶」だけはしっかりとどめて感情をコントロールしつつ、相手を憎んで関係をすべて断ち切るようなことはしない、というバランスが大切です。

クセの強い「才能ある人」との付き合い方

すべては「期待との不一致が原因である」と割り切って対応していくと、人間関係で損をすることが格段に減ります。

損得勘定だけで動けと言っているわけではありませんが、例えば作家や起業家、芸能関係など、突出した才能を持つ人たちは、自我が強大で「クセの強い人」が多い傾向にあります(私も本を書いているので、作家の端くれとしてお話ししますが)。

そうした人たちに出会ったとき、自分の基準や期待をベースにして「なんだこいつは」とイライラし、関係を絶ってしまうのは、彼らの才能に触れる機会を失うことになり、とてももったいないことです。

「この人はこういう行動をとる人だから、一般的な期待はしないでおこう」と心にとどめ、何かあればその都度対応する。相手を憎むのではなく、「自分の期待とは合致しない人ですね」という認識を持っておくだけで十分なのです。

「お互い様」の精神を持つ

この考え方を身につければ、むやみにイライラすることも、人を憎むこともなくなります

そして何より、人間関係は「お互い様」です。自分自身も無意識のうちに他人の期待にそぐわない行動をとり、誰かをイラつかせてしまっていることが絶対にあるはずです。それは誰にでも起こり得ることですから、「お互い様だ」とおおらかな気持ちで受け止めていくことが、心を穏やかに保つ秘訣です。