「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。
「仕事ができる人とできない人の決定的な差」とは? ライター照宮氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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出版社時代のローラー作戦
出版社に勤めていた頃、自社が運営するオンラインサロンのプラットフォームでの講師を探すため、営業チームがビジネスブログランキングの上位100人に片っ端からメールを送っていた。
条件はレベニューシェア、講師は講座の内容を準備するだけで、それ以外は何の持ち出しもない。悪い話ではないはずだった。
ランキング順にローラーをかけるやり方で、送付数だけは順調に積み上がっていった。
しかし、それに対し、返信はあるものの、その先の面談にまでは至らなかった。
何のための「量」なのか?
思考の無駄を徹底的に省いた仕事術で注目される木下勝寿氏は著書『地頭スイッチ』の中でこう述べている。
仕事には「質」と「量」という両面があります。
しかし、「質」の結果は見える化しにくいため、間違っていてもわかりません。
よって計測可能な「量」で指示するのです。
――『地頭スイッチ』より
100人へのローラー作戦は、講師を獲得するという目的に対し、量しか担保できていなかった。
その100人が本当に講座を開きたいかどうかは、リストからは読み取れない。
そうした「質」の部分が抜け落ちていたから、返信があっても成約につながらなかった。
量だけ追っていると、ただ数だけが積み上がっていく。
何のための量なのかを先に問えていれば、送る相手の選び方も変わっていただろう。
仕事の成果の出し方をゼロから教えてくれる
質の結果は見えにくい。だからこそ、量の数字に安心してしまう。
その安心感が、目的とのズレを見えなくしてしまう。
量と質、この両方を意識して動ける人が、最終的な成果に確実にたどり着く。
本書によって地頭スイッチが入っている人は、「質」を見ながら、どこに向かって「量」を動かすかを先に考えていることがわかった。だから同じ労力でも結果が違うのだ。








