「おかわりだよ!」感じのいい人がひょう変!

 以前ファーストクラスでも食事サービスが始まるまではにこやかでとても感じのいいお客様だったのに、お酒が入ると態度がひょう変した方がいらっしゃいました。

 そのお客様は食事中ウイスキーの水割りを数杯お飲みになっていらっしゃいましたが、突然グラスを無言で突き出されたのです。飲み終えたグラスを下げてほしいのかと思い、「お済みでいらっしゃいますか?」とお伺いしたところ、「おかわりだよ!」と不機嫌そうに言い放ち、顔つきも態度も変わってしまったのです。

 それから延々と説教が始まりました。「最近の若いもんは…」と愚痴と不満をぶちまけるのです。機内に限らず、酔った勢いで態度が変わる人はいるものですが、エグゼクティブなふるまいとしてはいただけません。

 饒舌に周りも明るく楽しくなるお酒の飲み方はいいものですが、攻撃的になって周りに気を遣わせるような飲み方はエグゼクティブとしては失格です。

 さらに、エグゼクティブは知識をひけらかさない方が多いです。例えば、ワインの知識です。

 私の経営者仲間にもワインに詳しい人が多くいます。ワインは奥が深く、ブドウの品種にとどまらずワイナリーの歴史や造り手のストーリーなどワイン好きには興味が尽きることがありません。

 向上心のあるエグゼクティブはワインを学び、知識も豊富な方が多いのですが、決してその知識をひけらかしたりはしないのです。

 ソムリエが使うような専門的な言葉も使わず、「このワインは香りがいいですね」とか「お料理に合いますね」などと簡単な言葉でワインを楽しまれます。そういうお客様に限って、実はワインが好きでワインの知識が誰よりも豊富であることが多いのです。

 ワインが好きでワインを教養として学ぶ方は、知識が豊富であるがゆえに知識を自慢げに語りたくなるのですが、エグゼクティブはそういう素振りは一切感じさせません。知性はひけらかすものではなく、黙っていてもにじみ出るものなのです。

「能ある鷹は爪を隠す」を実感します。