米エリート学生の夏、インターンより起業めざす サンフランシスコの「イエール・ハッカーハウス」で話し合う(左から)レイア・ライアン、オサマ・ラディ、ヘクター・ミランダ・プラザ、ニコラス・ガートラー、オリバー・ハイムの各氏 Photography by Minh Connors for WSJ

 プリンストン大学の学生チャールズ・ミュールバーガーさんは、大手テクノロジー企業かロケット工学企業から夏季インターンシップのオファーを受け入れることもできた。

 しかしミュールバーガーさんは、その代わりにサンフランシスコで人工知能(AI)企業を立ち上げることを決めた。4週間が過ぎた今、彼はスペインのバルセロナで見込み顧客に売り込みをかけている。

 スタートアップ企業を構築しなければという切迫感から、彼はギャップイヤー(休学期間)を取ることを決意した。オープンソースのAIモデルをインターネットに接続せずに手元の端末上で動作させることを目指す。「いま構築している者が未来の在り方に発言権を持つことになる」と言う。

 過去数十年、名門大学の多くの学生にとってキャリアの道筋は明確だった。テクノロジーや金融、コンサルティングの分野でインターンシップを確保し、安定した職に就いて卒業し、企業の階段を上っていくというものだった。

 しかし最近は、ミュールバーガーさんのように、シリコンバレーのAI開発競争への参加を支援する新たなプログラムに目を向ける学生が増えている。一部のプログラムは名門大学が関わっており、無料の住居やメンターシップ(助言)、人脈作りの機会を提供するものもある。猛烈なスピードで大きなアイデアを膨らませている学生の多くは、夏が終わっても大学に戻るかどうか確信が持てずにいる。

 AIの急速な進歩は、最近の大学生にとって厳しい就職市場を生み出した。ソフトウエアエンジニアリングをはじめとする分野の安定性が大きく揺らぎ、その結果、自ら行動を起こす学生が増えている。