米上場企業の“AI活用率”46%に倍増Photo:Spencer Platt/gettyimages

ChatGPT公開から3年
生産性向上も若年層失業率1.7%Pt増

 ChatGPTが2022年11月に一般公開されて、はや3年が経過した。

 この間、対話型を含むAIの性能は飛躍的に向上し、人々の日常生活だけでなく、企業でも活用が進んでいる。とりわけ米国企業では、AIの導入が進み、対話型AIを相談相手や壁打ち相手として活用するだけでなく、受注・経費処理、プログラミングなど、多岐にわたる活用が進む。

 10月から始まった米国の第3四半期決算では、多くの企業がAI活用の方針や成果を強調している。米国の上場企業で、業務効率化やサービス向上、製品開発などにAI活用を進めている企業の割合は、23年には25%だったが、25年には46%まで高まっている。

 特に、AIを「業務効率化・コスト削減」に活用している割合は大きく上昇しており、25年には3割程度に達している。

 ピュー・リサーチ・センターによれば、25年9月時点でAIを少しでも業務に利用している労働者の割合は21%と、前年10月調査(16%)から上昇している。

 ビジネスの現場でAIが存在感を増すなかで、その「光と影」が交錯する。

 米経済の生産性が高まる一方で、AI利用率が高い情報通信や専門サービスなどの業種で雇用が減少。とりわけ若年層(20~24歳)の失業率が+1.7%Ptと、ほかの年齢階層に比べ大幅に上昇している。

 足元では大学などを卒業した直後のエントリーレベルの就業希望者に対する需要が減少している一方で、AIの影響が少ない職種や経験豊富な労働者は雇用が安定、もしくは増加している。

 今後、AI導入がさらに進めば、若年層の雇用環境悪化や中高年層との世代間の不均衡を通じて社会全体にひずみをもたらす可能性がある。

 AIの活用によって企業が若年層の採用を抑えれば、一時的に人件費を抑制できるものの、企業に所属する社員の年齢構成に偏りができるだけでなく、将来的には、管理職候補の社員が足りなくなるといったことも起こり得る。

 だが、AI導入加速が生み出している変化はこれだけではない。