佐藤二朗(左 Photo:SANKEI)と橋本愛(右 Photo:JIJI)
ドラマを巡る佐藤二朗と橋本愛の泥沼騒動。これを単なる「芸能人のトラブル」として消費してはいけません。実は事態の発端は悪意ではなく、問題をいち早く収束させようとした周囲の過剰な配慮でした。厚労省の〈パワハラ3条件〉から見えた、マニュアルと現場の「掛け違い」とは?どんな組織にとっても他人事ではない「職場の罠」に迫ります。(フリーライター 鎌田和歌)
発端は双方への「配慮」
最初の文春報道を読んだ際から感じていたのは、これは現代において、多くの組織や人間関係の中で起こりうる軋轢であるのではないか、ということだった。その後のフジテレビによる声明や、週刊新潮に掲載された佐藤二朗のインタビューを読んでも、その感想は変わらない。
もっとも気になった点は、橋本愛について必要な配慮があると把握されていたものの、佐藤への配慮からそれが伝えられていなかったという点である。片方に対して必要な配慮が、もう片方への配慮から伝わらなかったのである。
橋本側からは、キスシーンやベッドシーンなどがある場合には事前協議や専門家の関与を求める一方、日常動作に伴う接触は問題ないとの説明がなされていた(フジテレビ 7月7日)。
フジテレビの声明を要約すれば、橋本に対して配慮する点があると把握した番組プロデューサーは、それを佐藤側に伝えるかどうかを橋本側に確認。対応を委ねると回答を得たことから、佐藤のマネージャーに伝えたという。
しかし、佐藤のマネージャーは「演技に影響が生じかねないため、本人の耳には入れないほうがよい」という意向であり、これをフジ側は尊重した。







