先月、ギリシャのクレタ島には強い日差しが照りつけていた。それでも観光客は大勢訪れ、港で定番肉料理のギロスを味わったり、土産物店で記念品を買ったり、ボートで海岸線を軽快に巡ったりと思い思いに満喫していた。「もうすっかり旅行の楽しさにまってしまった」。リサ・マロさん(54)は夫のウェスリーさんと、ハニア市の14世紀に築かれた港から正午に出発するボートツアーを待ちながらそう話した。米フロリダ州から訪れた夫妻は、ギリシャの島々を巡る10日間の旅の終盤を迎えていた。子どもたち抜きの旅行はほとんど初めてで、周囲には同じ米国から来た旅行客が大勢いた。今夏も米国人は大挙して欧州に押し寄せている。記録的な猛暑や航空運賃の上昇、一部の欧州諸国で新たな入国審査システムの導入が混乱していることによる長い入国審査の列といった障害があるにもかかわらずだ。 ドルもここ1年半で下落しており、2025年初め以降、ユーロに対して約10%下げ、旅行者の購買力を損なっている。